放課後の背徳準備室-3
「めちゃくちゃにして」
それが決め手。
それが引き金。
伊吹の声が早戸の理性を軽くさすっては、優しく砕いた。
意識が瞬時に吹っ飛んだ。
常識が即時に吹っ切れた。
目の前の淫らな光景に、僕は夢中になった。
椅子を蹴って、眼鏡を外して、本能のままに跪く。
「っはぁ!?あっ、いいっ…せんっ、せぇ…!」
飢え狂ったように舌を走らせて、手と口いっぱいを使って。
僕のために美しく咲いた伊吹にむしゃぶりつく。
「あはぁあっ!先生っ、激、し…すぎ、る…よぉ…」
嫌がるのはフリ。
本当はもっともっと。
嬉しさが伴う響きはとても甘く、僕の欲情を逆に刺激するばかり。
「本当にいいんだな?っ、…いいんだな!?」
早戸は祈るように伊吹の表情を探る。
劣情が止まらない…否、止められるだろうか。
最早とっくに制御不能だ。
伊吹の秘壷に指を入れて蜜を掻き出しながら、肉芽をいじる。
「っは、いいの!ぃひ、いい…から…っ!先生ぇ…」
肉襞が指先に絡んで、僕の心までを締めつける。
口を耳の後ろに這わす。
舌いっぱいになめ上げては、強く吸う。
「はあ…ぁっ」
大きく身震いする伊吹。
たまらず愛おしい…。
照れも迷いも恥じらいもない早戸の愛撫が、伊吹を限界に追いつめる。
「あ…い、はぁ、あっあんああぁ!」
伸び上がる伊吹の声に、早戸の唇が塞いだ。
「んんっ…!」
普段の先生から考えられないほどの激しさで。
快感が体内にこもり、肉や脂肪や血流や、果ては細胞までが、ますます敏感になる。
花唇がきゅんきゅんと切なげに啾く。
「もっもう…、駄目っ!先、生っ…」
息継ぐ暇もなく抉られた。
「あぅんっ!」
犯すように来た早戸の重さに、全身が歓喜ではちきれた。
「…本当に綺麗だ…」
結合部がよく見えるように、伊吹の両脚を大きく広げて。
赤みを帯びてゆく早戸の表情。
「あ…はぁあ」
嬉しい。すごく嬉しい。
私に興奮した先生が嬉しい。
「もっと…見て…」
自分の指で更に花弁を広げる。
ぐちゅぐちゅっ、早戸が中で摩擦するたびに溢れて零れる白蜜を意識しながら。
恍惚と苦悶で今にも泣きそうな顔で、先生が私を見つめる。
「責任…とれ、ないから…」
弱々しい台詞と裏腹に、腰は焦るように強く深く突いてくる。
いいのいいの、気にしないで。わかっている…最初から。
「んあぁ、いい…よっ。あぐぅ」
膨らんでゆく矛先はやがて、果てしない高みへ。
「はぅ、せっ…せぇ…あっ、あ…あぁ!」
何もかも全部、私のせいにしてもいいから――…。
…大好き。
あれから。
伊吹とは毎日会っている訳でもない。かといって、時々でもない。
ある日ふっと、忘れる頃に現れては、僕の平常心をかき乱す。
そよ風のように、ふんわり長い髪をなびかせながら、にっこり笑って。
駄目だとわかっている。わかっているが…。
「先生、抱いて」
まっすぐ僕の胸に飛び込んでは、開けっ広げに裸体を晒す伊吹の無邪気さに…逆らうことを放棄したくなるんだ。
そして、僕たちは背徳を分け合う。