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『ご主人様の気持ち』
【その他 官能小説】

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『ご主人様の気持ち』‐1〜未央編〜-1

高級マンションの一室。
メイド姿の私は、ドアを背にして、こう言います。
「お呼びでしょうか・・・ご主人様」
呼び出された目的を理解していても、まず初めに口にしなければならない言葉。
ご主人様である『聡志』様に、そう教えられました。
真正面に向けられたソファーに、聡志様は身を置いています。
足を組み、肘をかけ、左手にあごを乗せ、リラックスムードを漂わせていましたが、出迎えた顔からは、見据えた目が私を捕らえています。
視線が顔ではなく、下にあるのが気になりました。
この為だけに、あつらえられたメイド服は、極端にスカートが短いのです。
私はスカートの長さではなく、中をひどく気にしていました。
なぜなら・・・。
「俺の言いつけを、守ってきたか?」
聡志様の言葉に、私はコクンと頷きました。
「だったら、見せてみろ」
言われましたが、私は手でスカートを押さえます。
無駄だと知りつつも、小さな抵抗を示したのです。
その仕草が気に入らなかったのでしょう。
聡志様は
「もたもたするな」
声を低くしたのです。
怒鳴ることは無かったものの、その威圧感から、萎縮してしまいました。
スカートを握り締めていました。
「早くしろ」
促され、私はゆっくりと、スカートを持ち上げます。
言いつけを守った証を、ご主人様にさらけ出します。
諦めるしかないのです。
抵抗する事は、出来ないのです。
「丸見えだな」
笑いの含んだ聡志様の声が、恥ずかしさを掻き立てました。
「陰毛が丸見えだ」
そうなのです。
私は、下着をつけていなかったのです。
呼び出された時、付け加えられた言葉。
『下着は履いてくるな』と言う命令に、従ってきたのです。
下半身を見つめられ、私は思わず顔を背けてしまいました。
一瞬、目の端に飛び込んできた、聡志様の右手の包帯。
それこそが、今ここに居る状況を作った、原因なのです。

八日前まで、私はごく普通の大学生でした。
ようやく慣れた環境に、少し気が緩んでいたのでしょうか。
それとも、学園祭の準備に、焦っていたのでしょうか。
後ろに置かれた物に、私は気付かなかったのです。
友人と壁際で軽い会話を交わし、別れた直後。
振り返った瞬間。
枠もない等身大の鏡に、ぶつかってしまったのです。
何でこんな場所に・・・思ったときには遅かったのです。
無造作に立てかけられた鏡は、バランスを崩し、受け止めようとした私の手をすり抜け、椅子に直撃。
大きな音を立て、割れてしまいました。
幸い私は無傷でしたが、偶然通りかかった聡志様が、被害にあわれてしまったのです。
避けようとした破片が、右の掌を切り裂いていました。
血が溢れ出していました。
足元に落ちた赤い雫が、今でも鮮明に思い出されます。
「何をしている」
聡志様の呼びかけに、私は我に返りました。
「聞こえなかったのか」
「えっ・・・?」
「こっちに来て、早く舐めろ」
「は、はいっ」
次の指示に、私は慌てました。
即座にスカートを定位置に戻し、聡志様のもとへ。
ひざまずき、
「失礼します・・・」
シャツのボタンに、手をかけます。
少しでも感じてもらおうと、鎖骨からの口づけ。
ついばむキスを徐々に下ろしていきます。


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