smilefriend−aika−-4
「でも…」
「僕が勝手にそうしただけだから…。僕が、佐々井さんと一緒にいたいと思っただけだから…」
要くんは顔を真っ赤にしながらもアタシの頭を撫でながらそう言った。
「ありがとう…。…アタシも同じ気持ち…デス」
どうしよう!?
アタシの顔、今真っ赤だったりして…
「じゃあ明日また送るね」
「うっうん」
アタシがそう言うと要くんはすごいかわいい笑顔になって帰っていった。
帰る途中で誰かに襲われちゃうんじゃない?ってぐらいかわいかった。
って何コレ!?何コレっ!?
アタシ頭おかしいんじゃない?
ていうより心臓おかしいかも…。
ドキドキしすぎっ!
「こんなん初めてだよ…」
アタシが小さくため息をついたちょうどその時、携帯が鳴った。
「もしもし」
つい名前を確認しないで出てしまった。
「藍華…」
だけど聞き飽きているぐらい聞いたその声は、確認しなくてもすぐわかった。
「藍華、今日はごめん。ホント俺バカだと思った。もうしないから、絶対。だから…許して…」
聞き飽きた声。
聞き飽きた台詞。
なんだかバカみたい。
こんな男が好きだったなんて。
「アタシ要くんと付き合ったから」
和泉と片瀬に口止めしときながらアタシは自分から言った。
だけど意外な言葉が返ってきた。
「…知ってる。」
「藍華がどういうつもりで直樹と付き合ったか知らねぇが、藍華は俺のもんだ。そうだろ?」
どうしてこんな時にそういう事が言えるんだろう?
でもこんな時にそういう事を言うからアタシの心はまた揺れる。