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Boyfriend−Aika−
【青春 恋愛小説】

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Boyfriend−Aika−-1

オレンジ色の夕日を背に放課後の教室。
「宮下くん、あたしずっと好きだったの」
「俺もだよ」
そこで結ばれた2人はお互いに顔を近づけていき…

って、冗談じゃない!ベタすぎでしょ、このシチュエーション。
てかアタシの存在に気付けよ!!

「宮下!!」
気付いたらアタシは大声でそう叫んでいた。

男はびっくりした様子でこちらを見る。
「あ、藍華!!」

アタシは軽蔑いっぱいの目で男を見る。
「…最低だね」

「や、違ぇよ藍華」
何が違ぇんだか10文字以内で述べてみろ!

…ホント最低。
この男、宮下雄太がアタシの彼氏だったなんて。




「藍華ちゃん、別れたらしいね。宮下くんと」

次の日の教室でさっそく聞かれる質問。

てゆーかその情報は一体どこから流れてんのよ。

「まぁね。浮気なんて何回目だと思ってんのよ」アタシは次の授業の準備をしながら答えた。

だって…気にしてるって思われたくなかったし。

「確かに。でも校内一の美女とも言われる藍華ちゃんがいるのによく浮気なんてするよね」

信じられないといった感じの和泉。だけど校内一って…大袈裟だよ。

てゆーかアタシはそんな事言う和泉の方が美女って気がするんだけど。

「えぇ〜っ、でも愛奈はぁ、お似合いの2人だと思ってたのにぃ。雄太くんもカッコイイしぃ」

アタシの隣で髪の毛をかきあげながら言う。

よく言うよっ。
宮下の最初の浮気相手、片瀬愛奈っっ。

最初、片瀬と宮下が浮気してるって知った時はめちゃめちゃショックだったけど、今は割とヘーキ。

片瀬も宮下とアタシが付き合ってるって事知らなかったみたいだし。

裏表激しいけど、ぶりっ子だけど、アタシは片瀬の事が結構好きだったりする。

て言っても、別に変な意味じゃないからねっ。
友達として好きって意味っ。


「いつまで喋っていやがる!とっとと席に着けっ!」

先生が教室で叫ぶ。

「うわ、ダルっ」
片瀬がぼそっと言う。
…出たな、ぶりっ子の本性が。

そしてかわいらしく手を上げると、
「先生〜っ、愛奈ぁ朝から気分悪くてぇ、保健室行ってきまぁすっ」
…やると思った。
つーか、さっきまで元気だったじゃんっ。

ほかの女子はよくやるなぁ、といった感じで見てるけど、何人か「キモッ」と一言。


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