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Boyfriend−Aika−
【青春 恋愛小説】

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smilefriend−aika−-3

「…ごめんね。友達を先に帰らせて。こほっ」
要くんが咳をしながら言う。

「あ、全然大丈夫だよ。あの2人、帰る方面違うし」

「そっか、良かった」



沈黙が流れた。
ただひたすらアタシの家に向かっている。


やばい、こういう時普通のカップルって何話すんだろう?
アタシと宮下は普通じゃなかったからなぁ。



……あ。また要くん、咳した。

「風邪?」
アタシが言うと要くんの顔が赤くなった。

えっ、熱あるのかな?

「やっ、違うんだっ。きっ、緊張すると咳が出るくせが…あって…そのっ」

「えっ?」

「や、ごめん。なんか緊張してるみたいで…」
要くんがうつむきながら言った。

なんだ、緊張してんのはアタシだけじゃなかったのか。

なんかそう思ったら嬉しくって、なんだか笑えた。

「佐々井さん、顔がニヤついてるよ」
要くんが恥ずかしそうに言う。
「そんなに僕が緊張してるのおかしい?」


「あはっ。違うよ、要くんがアタシと同じ気持ちなんだと思ったら嬉しくって」

要くんの顔が一気に赤くった。


かわいい…


そう思えたらなんだかまた顔がニヤつく。

またなんか言われるかなって思って横を見たら要くんの顔も笑っていた。



そのあとは血液型の話しとか、誕生日の話しとか、後から考えるとすごいくだらない話しばっかりした。

でもその間にあった沈黙はもう気まずくなかった。
要くんの咳も気付けば聞こえなくなった。




いつの間にかアタシの家に着いていた。

「送ってくれてありがとう」
アタシが言うと要くんはニッコリ笑った。

「そういえば要くんの家ってどこなの?」
なんか送ってもらっちゃったけど家近いのかな?

「えっ?あっ、西町の方だよ」

えっ西町??
って…
「逆方向じゃん!!」
めちゃめちゃ遠いしっ!
アタシは間髪入れず謝った。「ごめんっ」

「あっ、いいんだ!気にしないで!」
要くんが慌てながら言う。


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