smilefriend−aika−-2
「あぁ〜っ、その顔はいるんだぁ」
片瀬の必殺技も本日2回目。
「う…好きっていうか…気になってるだけなんだけど…」
へぇ〜、和泉ってばいつの間に…。
「だぁれー?」
アタシと片瀬はじっと和泉を見つめる。
和泉は少しためらっている。
「…誰にも内緒だよ?」
和泉がやっとアタシ達の目を見て言った。
「んな小学生じゃないんだからっ」
「う〜…しょっ、翔太くん…なんだけど…」
翔太………
って、ええぇぇぇっ!?
「宮下の弟じゃん!!」
「へぇ〜、和泉チャンって年下趣味だったんだねぇ」
アタシと片瀬が一気に和泉に詰め寄る。
「えっ、だって年下に見えないとゆーか、大人っぽくて…なんてゆーか…」
顔を真っ赤にさせて必死に言う。
照れているのを隠すために触っている髪が乱れて、和泉がいつも丁寧に結んでいるのがほどけかかっている。
「でも和泉チャン〜っ、中学生は犯罪だよぉ」
「うっ…」
和泉の表情がとまった。
「だけど確かに翔太は大人っぽいよね」
アタシの必死のフォロー。
「…ありがとう、藍華ちゃん」
うっ、なんか和泉に元気がなくなった気がする…。
片瀬のバカぁっ!
アタシは片瀬をちらっと見た。
片瀬はその視線に気付いたが目を逸らした。
「愛奈ぁ、知ぃらないっ」
こっ、この……っ。
小学生かよっ!
「あははははっ」
和泉が突然笑い出した。
「いっ、和泉??」
「ごめんね、だって2人とも面白いんだもん。ふふっ」
面白いって…。
アタシと片瀬は漫才コンビかっ。
まぁ、和泉が元気になったみたいだから良かったけど。
教室に戻ると要くんがアタシを待っていてくれた。
片瀬と和泉は気を利かして先に帰り、アタシは要くんと2人で帰る事になった。
てか…一緒に帰るとか宮下と一度もした事なかったわ。
なんか、要くんとは付き合ってる感があるな…。