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School days
【学園物 官能小説】

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School days 4.2-5

「柿沢…」
「おう、大丈夫か」
頭をくしゃくしゃと撫でられる。
「ん…」
ホッとした。怪獣とかから王子様に助けられるお姫様って、こんな気持ちなんだろうか?
「何だよ、お前」
ヒロが不服そうに柿沢を見る。が、すぐそれが成る程、という顔に変わった。
「へぇ、構ってくれないと思ったら彼氏出来たのかよ」
は!?何言ってんの!?
ヒロは続ける。
「でもお前言ったのか?」
ニヤリと笑うヒロ。
「なぁ、教えてやろうか。こいつすんげぇエロいの。エッチなしじゃあ生きてい
けないんだよ、なぁ、梨衣」
顔に血が上るのが分かった。無意識のうちに、柿沢の制服を握る。

嫌だ…
止めて…
柿沢の前で言わないで…

「だから?」
凛とした声が響く。
驚いた様子のヒロ。焦ったように付け足す。
「こいつ、すげー淫乱女なんだぜ?こんな奴でいいのかよ!?」

 ずきっ

心のどこかが痛んだ。それを流し去る様に柿沢が言う。
「なんで?元々動物ってそんなもんだろ。性欲なんて誰にでもあるんだし。それはお前も変わらないんじゃねぇの?」
ヒロは黙る。言い返す言葉を探していたんだろうけど、
「勝手にしろよ」
と呟いて歩き去って行った。

静けさが帰ってくる。道には一つの影。
あたしが柿沢に抱きしめられてるから、二人の影が重なってるんだ。
「気にすんな」
頭を撫でられる。
普段のあたしなら「なにすんのよ」と、その手を払っていただろう。
でも今は、このままでいたいと思う。
温かい…

ちゅ…っ

額に落とされたキス。全身が脈打つ。
「追い掛けてきて正解だったな。やっぱ、送る」
腕がとかれる。離れる体。一瞬にして温もりが消えていった。一部を残して。

握られた手。

そこだけが温かい。寧ろ熱を持っている。
その手から優しさが流れ込んできて、あたしは狂おしい程の切なさに包まれた。

この手の主を失いたくない
傍を離れたくない
ずっとずっと
繋がっていたい…

そんな気持ちが溢れだすのを助けるかのように…


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