School days 4.2-4
はー、きっつー…
「なんだよ、先イっちゃったのか?」
柿沢の呆れたような声。
あーもー!あんたのせいでしょーが!
そう言いたかったけど体が動かない。力入んない…
「もうちょい、頑張って」
再び柿沢が動き出す。さっきよりも一層敏感になっている体。あたしは快感に耐えながら、柿沢に身を任せるしかない。
体中ガクガクする…
壊れちゃうよ…
「はっ、んふ…」
柿沢の息があがってきた。更に激しく腰が打ち付けられる。
「は…んっ…は…」
切なげな声。この声、あたしわりと好きだ。これで名前を呼ばれると、あたし…
「ぅ…っ梨衣、っ!」
もう全部どうでもよくなっちゃう…
柿沢が果てた。飛び散る精液。あー知らないぞー…ここ図書館なのに…
ぐらりと体が傾く。もう自分で自分を支えることすら無理だ。
ポスン
本棚から落っこちたあたしを柿沢が抱き止める。
「ちょっとイかせ過ぎた?」
あたしを胸に抱いたまま、柿沢が聞く。まだ息が少し荒い。
「ちょっとじゃない…」
薄れかけていく意識。ああ、あたし、しっかりして。ここで寝ちゃだめ…
「ごめんな」
柿沢の声が遠く聞こえる。
「でも、可愛かった」
そう聞こえた、と思う。眠りへ落ちていく所だったからハッキリはしない。
もしかしたら夢だったのかも。
だから、少しだけど「嬉しい」と思ったのも、きっと夢なんだ…
目が覚めると、辺りは真っ暗だった。まだけだるさが残っている。
「気、ついたか?」
すぐ後ろで柿沢の声がした。どうやらあたしは柿沢の胸に寄りかかりながら寝て
いたらしい。
「ん…何時…?」
ゆっくり立ち上がりながら聞く。…あ、服直ってる。柿沢がしてくれたのか…
「六時半。おい、大丈夫か?」
「うん、へーき…。起きてたんなら起こしてくれればよかったのに」
本棚伝いに歩く。
「お前熟睡してたし…」
そうなのか。あたしそんなぐっすりだったんだ。
三回も果てたからか、それとも傍にあった温もりが―…
「おい、ホントに大丈夫かよ」
学校を出、昇ったばかりの月の下を歩きながら柿沢が言う。
「送ろうか?」
「いいって、柄でもないし」
あたしは苦笑する。
「心配無いから。じゃ」
あたしは右折。柿沢は左折。
納得いかなそうな柿沢を残してあたしは歩き出す。
なんて静かな夜。
道端の街灯が橙の光を零している。
早く明日にならないかな…
なんて、最近らしくない事を思うようになった。
ちょっとした進歩?
ぐいっ!
「!?」
突然腕を掴まれて路地へと引っ張り込まれた。何が何だか分からないあたし。
「梨衣」
聞き覚えのある声だった。顔をあげる。やはり彼。
「ヒロ?どしたの?」
昨晩のメールの相手だ。
「梨衣が冷たいからさぁ、会いに来ちゃった」
何それ、と笑い飛ばそうとしたが動けなくなる。
ギラギラ光る瞳。まるで獲物を捕らえるライオンだ。
「梨衣がシたくなくても、俺がシたいんだよね」
「や!」
弾かれた様に抵抗するあたし。でも思うように体が動かない。さっきのエッチのせいで体力が…
「抵抗しないでよ。ほら、いつもみたく感じればいいんだって」
舌が首筋を伝う。胸を揉みしだく手。
全然気持ち良くない!止めて、吐き気する!
「っや!やだ、ヒロっ!!」
「梨衣!」
名前と共に誰かの胸へ引き寄せられた。
優しい温もり。図書室でずっと包んでいてくれた…