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『最強男女』
【学園物 恋愛小説】

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『最強男女』―第二章―-2

「な、なんじゃここは……」
 普通の教室とは違い、生徒会室の扉はまるで宮殿かと見紛おう程に派手だった。
 あり得ない状況に、深呼吸してから扉を叩いた。
「たのも〜っ!」
緊張したように斎は控え目に叫ぶ。なにせ、あの不思議会長と対面するのだ、緊張せずにはいられない。
少しして、扉が開かれる。
「はいは〜い……おや? 君は、斎ちゃんじゃないか」
「どーも……」
何故名前で呼ばれてるのかと疑問に思い「気安く呼んでんじゃねぇよ」と言いたいところだが、今それを言ってはまずいと、斎は言葉を飲み込んだ。
「斎ちゃんが尋ねて来てくれるなんて、嬉しいよ。ささっ、入って入って」
「い、いや、あたしはただ道を……」
「いーからいーからっ!」
「ぃや、あの、ちょっと……」
斎は強引に中へ引きずり込まれてしまった。
「そこに座っててよ。今お茶入れるから」
「あの、お構いなく。あたし、道を聞きたいだけなんで……」
「まぁ、そう言わずに。せっかく来たんだし、お茶くらい飲んでいってよ」
斎は「こいつ友達いねぇのか」とか「よっぽど暇なんだな」とか色々思いながら、績の後ろ姿を見つめていた。
「はい、お待たせ」
「ど、どぅも……」
斎はテーブルに置かれたお茶を啜る。
「……あの……会長様。何で隣りにお座りになられているんです?」
「特に意味はないけど、何か問題でも?」
「近いんですけど……」
「気にしないで」
斎のかなり近い位置に、績が笑顔で座っていた。
「すんごい気になるんですけど」
「じゃ、もっと気にしてくれていいよ」
先程より身体を密着させられ、斎は軽く引き気味な体勢だ。
「あんた、何がしたいのさ」
「さぁ、当ててみて?」
斎は眉間に皺を寄せて、績の身体を押し返した。
「ふざけんのもいい加減にしっ……」
「逃げんなよ」
績から逃れたはずだった斎は、ソファーに引き戻された。
「……せっかく捕まえたのに、逃がさねぇぜ?」
斎は、ソファーで押し倒された体勢になる。
「ふざけてなんかないからね、斎ちゃん」
績は、斎の上で楽しそうに笑った。


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