紅の嫉妬-1
中途半端に赤い街…
夕日がせっかく染め上げた赤なのに
それを拒絶するように黄色や青の光が邪魔してる
どうせなら…
みんな真っ赤になっちゃえばいいのに…
【紅の嫉妬】
私はときどき自分を抑えきれなくなる。すぐに人を妬んでしまうんだ。ただの焼きもちで済めばいいのに。それはいつしか怒りに変わり、牙を向く。
高校の時だった…
ブランド…オトコ…金…
クラスのアイドルとか言われてた娘が、私にそれをイヤミったらしく自慢してきた。
私はキレた…
イスで教室のガラスを割り、その破片を握り締めて、彼女の綺麗な顔に切りかかった。
当然、彼女は重傷…
私は破片を握った手から血が出ただけ
彼女はすべてを手にしてきた自慢の顔を傷つけられ、泣くどころじゃなかった。
そこで、私は言った
「その方が…綺麗かもね…」
自分で言った言葉に寒気がした。
次の日、私はクラス全員から冷たく見られ、机にはマジックで大きく『悪女』と書かれていた。
その後、私は校長室に呼ばれ、退学…
私とアイツ…
失ったものはどっちが重かったのだろうか…
この時の私は、もちろんアイツが悪いんだ
アイツのせいだ
なぜ私が退学されなきゃいけないんだ
と、思ったんだ。
オマエサエイナケレバ…
その後、私は親にも勘当され、寮付きの工場で働くことになった。
泥や油に汚れる毎日、体への負担も重く辛い毎日だった
だが、私にとって一番辛かったのは、何より孤独なことだった
家族から見放され
友人から見放され
学校から見放された…
私はすべてを失ったのだ