投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

紅の嫉妬
【サスペンス 推理小説】

紅の嫉妬の最初へ 紅の嫉妬 0 紅の嫉妬 2 紅の嫉妬の最後へ

紅の嫉妬-1

中途半端に赤い街…

夕日がせっかく染め上げた赤なのに

それを拒絶するように黄色や青の光が邪魔してる

どうせなら…

みんな真っ赤になっちゃえばいいのに…


【紅の嫉妬】


私はときどき自分を抑えきれなくなる。すぐに人を妬んでしまうんだ。ただの焼きもちで済めばいいのに。それはいつしか怒りに変わり、牙を向く。

高校の時だった…

ブランド…オトコ…金…

クラスのアイドルとか言われてた娘が、私にそれをイヤミったらしく自慢してきた。

私はキレた…

イスで教室のガラスを割り、その破片を握り締めて、彼女の綺麗な顔に切りかかった。

当然、彼女は重傷…
私は破片を握った手から血が出ただけ
彼女はすべてを手にしてきた自慢の顔を傷つけられ、泣くどころじゃなかった。

そこで、私は言った


「その方が…綺麗かもね…」


自分で言った言葉に寒気がした。

次の日、私はクラス全員から冷たく見られ、机にはマジックで大きく『悪女』と書かれていた。

その後、私は校長室に呼ばれ、退学…


私とアイツ…
失ったものはどっちが重かったのだろうか…

この時の私は、もちろんアイツが悪いんだ

アイツのせいだ

なぜ私が退学されなきゃいけないんだ
と、思ったんだ。


オマエサエイナケレバ…


その後、私は親にも勘当され、寮付きの工場で働くことになった。


泥や油に汚れる毎日、体への負担も重く辛い毎日だった

だが、私にとって一番辛かったのは、何より孤独なことだった

家族から見放され

友人から見放され

学校から見放された…


私はすべてを失ったのだ


紅の嫉妬の最初へ 紅の嫉妬 0 紅の嫉妬 2 紅の嫉妬の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前