紅の嫉妬-3
私はその後もカリカリした。
アイツらが、私を連れ戻しに来た
何か裏があるはずだ
絶対何か企んでいるはずだ
私はその日は機嫌が悪くなり、部屋に誰も入れずに閉じこもった。
私のケータイには
工場関係の人の番号アドレスは入ってません
過去を消したかったし
友達にも見捨てられたから
私は生まれた時からここにいたというのは
結構マジに思ったりします
次の日、私はいつものように作業着を着て工場に向かいました。そこには、アイツらがいました。
「椿っ!」
「椿ちゃん!」
なんの演技なのか、親は私を本気で迎えているようだった。あんな追い出し方したくせに…
「…なにしにきたの?」
私は怒りでいっぱいだった。本当に信じられない。
「なにしにきたのって、椿!お前を連れ戻しに来たんだよ!二人でよく相談したんだ。なぁ、また一緒に住まないか?」
また…一緒に?
私はお前達に愛された記憶なんて全くないのに。
「今まで幸せに暮らしてきたみたいな言い方…やめてくんないかな。」
そうだ…
私の中には確かに5歳の頃までは愛された記憶が少しあった。
『椿ちゃん、こっち向いて!写真とるわよ!』
『かむら…かむら…ちぃーず!』
『おいおい、椿、かむらじゃない!カメラだ。カ・メ・ラ。』
あの青すぎた空の下で…
私は笑っていた…