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「幼なじみ」
【幼馴染 官能小説】

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「幼なじみ」-2

隆志んとこのおじさん・おばさんは仲が良くて、よく隆志をほっといて旅行に行く。隆志にはお姉ちゃんがいてるけど、もう結婚して京都に住んでいるから、一人ぼっちなのだ。
あたしがおさんどん係になってから、尚更頻繁に旅行に行く始末。
うちで食べればいいかもしれないが、あたしは親に「料理の練習」とか適当に言っている。
「由佳ぁ、まだぁ?」
「もうできるって。さっきサラダ出したやろぉ?」
「食った」
大喰らいめが。
あたしは手っ取り早くパスタを茹で、エビとブロッコリーと混ぜてコンソメで味付けした。
たっぷり2人分をお皿に盛る。あとはコンソメスープだ。タラモサラダも2人分作ったのに…
「あーうまそー!いただきます」
「よろしゅうおあがり」
隆志が、パスタを猛烈な勢いで食べ出す。
あたしも少しパスタを食べた。
スープを飲んでると、ガチャンとフォークを置く音がした。
「あー生き返った!ごちそーさん!」
「はやっ!もうちょっと味わって食べてよ」
「由佳のメシ、旨いもん」
「そりゃどうも」
隆志はお茶をぐいっと飲むと、席を立った。
「さー、片付けるか」
「いいよ、お風呂入れば?」
「ええねん。由佳には作ってもらったからな」
「ほな、一緒にしよか」
キッチンに二人で並んで、皿洗いを始める。
話の内容は、またしてもくだらん内容。
もう色気は諦めた。
「由佳、酒飲んでみんか?」
「酒ぇ?なんで。珍しいやん。」
「飲みたい気分やねん」
あぁ……もしかして、こないだの試合のことか。
練習試合やったけど、相手チームのファールがあったにもかかわらず、隆志チームは負けたのだ。
隆志は審判に詰め寄ったけど、無効だった。
「ええけど、お酒何があるん?」
「何でもあるで。ビールにウィスキーに焼酎やろ。甘いのもあるで」
「ほんなら、おつまみも作ったるわ」
隆志が笑って、
「乗り気やなぁ。由佳、ええ嫁さんになるわ」
……嫁さんって!!
あかん、変に意識してまう!!

エビの残りを塩焼きにして、あたし達はダイニングから居間のソファまで移動した。
隆志はビール、あたしは甘いチューハイで乾杯する。
「あーにがっ。何回飲んでも慣れへんわ」
そう言いつつ、隆志は一気に半分くらい飲んだみたいだ。
「そんなにしょっちゅう飲んでんの?」
「たまにな、ほんまに」
「ふーん…なんか大人やなあ。あたし、こんなんでもあかんわ」
あたしはお酒にたぶん、弱い。まあ、まだ17やから弱くていいんかも。
少量でも顔がほてるのが、よくわかった。
「お前、顔赤いで」
隆志も少し顔を赤くして、あたしを笑った。
「やっぱり?まあ、赤くても可愛いやろ?」
少量のお酒が、あたしの舌を滑らせる。
「……うん。可愛い。由佳は可愛いで」

ん??

ほっぺたになんか……濡れた柔らかいものが……?

えぇっ!?

「なっ、何すんのー!!」
「え?ちゅーしたんやん。分からんかったか?」
何をゆーてるのか、こいつは。
何したんや、こいつは!!
「分かるわ!!なんでこんなんすんのよ!」
思わずソファから立ち上がって、隆志を見下ろす。
「なんでって……由佳可愛いなぁ、思て」
「かっ……可愛い思たら、あんたは誰にでもちゅーするんか!」
隆志は呆れたように笑い、2本目のビールの蓋を開けた。
「何や、そんなに動揺することか?俺は由佳が可愛いからしただけやで。あかんか?」

あかん!!

でも………

嬉しい!!
でも!!!

「あんた、酔ってるんちゃうん…あ、あたしが可愛いなんて、可笑しいわ…」
ああ、動揺。
「せっせや!お礼貰わんとな!ちゅーまでされたんやしな!!」
って、なんで蒸し返してんの、あたし!!
隆志はニヤリと笑うと、
「あぁ、そういやそんなことゆうとったなあ。……まあ、座れや。立ったままやとお前、偉そうやで」
「う、うん」
ソファに座り直した途端。

どさっ!

「うぎゃっ!」

何!?何事!?
なんで、あたしは横になってて、目の前に隆志の顔があんの!?
「お前なぁ、押し倒された時はきゃあ、とかゆえよ。色気ねぇ」
「はぁ…」
で?
「お礼はちゅーでえーやろ?」
ん?
隆志の唇が近づいてきて…思わずぎゅっと目を閉じた。冷静に観察なんて出来ない。
待ってよ。どうしたらいいん?
とか思う間もなく、あたしの唇に隆志の唇が触れた。

ちゅっ…

テレビがついてるはずなのに、音が聞こえない。
心臓の音が、うるさい。


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