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『マニラバ!』
【学園物 恋愛小説】

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『マニラバ!‐2』-1

「手紙、読んでくれた?」

「‥へい」
うわっ‥ハイか、えぇ‥どっちを言おうか悩んでたら出てしまった。
藤堂はクスッと笑ってる。

誰か助けてぇ〜
どうしたらいいか、わかんないよぉ――


そう、ついさっきの事だ。あたしは自分の靴箱にラブレターとやらを見つけた。その差出人が今目の前にいるのだ。

「舞ちゃんって僕の事、知ってた?」
「いいえっ!」
思わず即答。
また藤堂はクスッと笑ってる。
「あ〜!ごめんなさいっ」
「いいんだ。ちょっとずつ知ってもらえたらいいから。じゃあ改めて自己紹介‥3年Α組、藤堂光です」
まっすぐに目を見てにこっと微笑む。
舞はつられて、にかっと笑う。ははっ‥
――うわぁ〜だめだ
どうしたらいいかわからない‥
精一杯考えて出した言葉は…
「に‥2年Β組、や‥柳沢舞です」
知ってるよと、また相手は笑ってる。
「なんで、藤堂?‥先輩はあたしのことを、ご‥ご存じで」
「そりゃあ毎日どこからかフルネームで叫ばれてるのが聞こえてくるからね」
――うわぁ〜‥
顔が赤くなっていく舞。
「それに‥なんだかいつも笑ってて、楽しそうで‥気が付いたら目で追ってた」
――や‥やばいっ
どんどん顔が赤くなっていく。
「クスッ‥前髪かわいいね。似合ってる」
――ぷしゅ〜‥
もう舞は湯気が出そうで倒れそうだった。
「じゃあ‥またね‥」


舞はフラフラになりながら席に戻った。
「茜ちん。た‥助けて」
「ぎゃははは!あんた何か吸い取られてるね〜。で、なんて?」
舞は一部始終を茜に伝えた――

「ぎゃははは〜!あんた悪目立ちしてるからね〜」
――なんで先生達はフルネームであたしを呼ぶんだよぉ恨んでやるぅ〜!
クラスメイトも騒ぎだす。
「見っ‥見るんじゃねぇ〜っっ!!」

頭を抱え込む舞。
涙流して笑い転げる茜。
そしてリョウ――‥。


それから毎時間のように藤堂はやってくる。
「ま〜い〜ちゃん!」
――おっと、また来た〜
藤堂はにこっと微笑みかける。
――う‥っ、この笑顔、この爽やかな笑顔はなんなのさ〜
藤堂は質問攻めだ。誕生日はいつか?どこに住んでいるのか?好きな食物は?好きな色は?…etc.

その度に舞はフラフラになりながら答えるだけで精一杯だった。
「つ‥疲れる‥」
昼休み、舞は茜に愚痴っていた。
「でもさぁ〜藤堂先輩かっこいいじゃん!サッカー部で、全国レベルらしいよ」
そーなの?あー‥それでクラス中が騒ぐはずだ。

茜ちんは自分の持ってる藤堂情報を教えてくれた。学校一モテル男だと言っている。確かに、あの笑顔はやばい。いつも流されてしまう‥。


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