『マニラバ!‐1』-3
――次の日‥
「おはよ〜!茜ち〜ん」
靴箱で上履きにはきかえていた茜に向かって舞が走ってきた。
「おはよ。朝から元気だね〜。――‥で、昨日はどうだった?」
「ん?なにが?――あ〜ハンバーガー?!新作食べたんだけどさぁ‥」
いや‥そうじゃなくて―
あの味はどうだとか、舞はまだハンバーガーの味について喋ってる。。
リョウがんばれ〜 茜は切実にそう思った――
カサッ
「ん?なんだコレ?」
舞の靴箱には手紙のようなものが入っていたのだ。
「舞宛てだとしたら、なんか“果たし状”とかなんじゃないの〜」
と笑いながら茜は舞と一緒に中をみると…
『 柳沢舞 様
あなたの事が好きになりました。
僕と付き合って頂けませんか。
藤堂光』
「うぎゃぁっ!」
叫んでる舞を横目に、また茜の感が働きだす‥
――藤堂‥光‥あ〜 昨日舞のこと見てた3年だ‥
――藤堂ってだれ!
――茜ちん!どうしよ!
――なんであたし!
教室に入っても舞はぶつぶつ言いながらうろうろ落ち着きなく動き回ってる。
「何あいつ。ついにおかしくなったのか?」
舞のおかしな行動にリョウが気付き、茜にそう聞く。茜はリョウにラブレターのことを話しだした――。
「はぁっ?!まじっ?!」
リョウの叫び声に我に帰り、涙目で舞は見る。
――茜ち〜ん!リョウ!
ど〜しよ〜っ‥?!
ガラッ
教室の扉がひらく。
「やなぎさわ、ま・い・ちゃん!」
語尾にハートマークをつけて手招きをしている。そう、藤堂光だ。
――えっ藤堂先輩?
――なになに?舞ちゃん呼ばれてるよ
――あいつ何やらかしたの?
――藤堂先輩って‘アノ’藤堂先輩だよね?
クラスが騒ぎはじめた。
「ほらっ舞!藤堂先輩だよ。行きな!」
え〜っ
茜は背中を押し、しぶしぶ歩きだした舞を見送った。
――やれやれ。‥おっとココにも世話の焼けるヤツが。。
リョウが立ちすくんでいるのだ。
「リョウ!あんたぼーっとしてたら舞、持ってかれるよっ」
ま‥まじかよ‥
「ほら、舞のヤツ、赤くなってる。あの子、ああいうの免疫ないからコロッといっちゃうかもよ〜」
あの前髪で一気に恋愛運アップしたのかも。とも、茜は思っていた。
でも全然リョウの耳には入ってこなかった‥
――まじで、やばいかも‥
そんなリョウと、舞と藤堂を交互に見ながら、ひとり茜はニヤニヤしている。
――な〜んか、これからおもしろい事が始まる?!
しっかし『トウドウヒカル』ってすっごい名前…(笑)