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『マニラバ!』
【学園物 恋愛小説】

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『マニラバ!‐1』-2

――キーンコーンカーン
      ‥‥――
午後からの授業の予鈴が鳴った。
「あっっ!!次、体育だった!茜ちん先行くねっ」
体育委員のあたしは早めに行かなくちゃいけないんだった。

――舞の走り去った教室では‥
「ねぇ、舞の前髪そんなに変だった?」
リョウの顔を覗き込みながら茜は聞いた。
「…なっ、何が言いたいんだよっ!」
「顔赤いよ〜リョウちゃん。さ〜て、あたしも着替えに行こ〜」
あたしって結構感はいいんだよね――ニヤニヤしながら茜は教室を出ていった。

――リョウ、お前はやく着替えろよ〜
誰かが俺に叫んでる…
やっぱり茜にはかなわないな〜 というか、舞が鈍感なのか。
ジャージに着替えながら、さっきの舞を思い出していた。肩までのストレートの黒髪…前髪が短くなったせいか余計に顔立ちがハッキリするようになっていた。アイツ黙ってたら結構美人なんだよな――。


今日の体育はサッカー。といっても、男女は別々で女子は男子の半分のコートの広さでミニサッカーをする。
「お〜い!舞!こっち一人足りないからお前入れ!」
遠くからリョウが叫んでる。
「はいは〜い!」

いつのまにか舞は男子にまじって走り回ってる。
「こらーっ!!柳沢舞!お前はこっちだろーっ」
舞と先生がギャーギャー騒いでる。
あ〜 また始まった――
茜は木陰で休みながら舞達を見ていた。

ん?
茜の感が働きだした。
舞を‥見てる?!
3年の教室から視線を感じたのだった――。


放課後――‥
「あちーっ!」
「舞っ!足っ!」
椅子に股広げて座ってスカートをパタパタさせながら、なかに風を入れていたらまた茜ちんに怒られてしまった。
「ねぇ、茜ちん!なんか食べに行こう。お腹すいちゃった〜」
「あんた今日も一段と走り回ってたもんね。でも今日はごめん!迎えが来てるんだよね〜ごめんね。」

彼氏かー。茜ちん大学生の彼氏がいるのだ。大人だね〜茜ちんは‥
しょーがない!次のターゲットは…
「リョウ!マッ〇行こ〜」おう!――リョウが手を挙げたのを確認すると、
「はやく!はやく〜!」
舞はあっと言う間に教室を出ていってしまった。
その直後、また先生の怒鳴る声が聞こえた――。
「こらーっ!!柳沢舞っ!廊下を走るなー」

教室では皆がリョウを見ながらクスクス笑ってる。がんばれ〜とか言うやつもいる。
――‥ったく、俺は子守かっ!


俺のこぐ自転車の後ろに舞は立ちながらず〜っとしゃべってる。昨日見たお笑い番組の話やら、さっきのサッカー話やら…
ハンバーガーを食べながらもず〜っとゲラゲラ笑いながらしゃべってる。
――‥色気の無いヤツ。
「えっ?何?なんか言った?」
「なぁ、お前。好きなヤツとかいねぇの?」
リョウは思わずくちばしってしまった。。ハッ‥まずい!
すると舞からは意外な言葉が返ってきた――
「いるよ。」
え?まじ?
「茜ちんでしょ。リョウでしょ。みわちゃんに、こずえ‥それからヨウスケ…」舞は真剣な顔して指折り数えながら次々と友達の名を挙げていってる。

はぁ。。

「あれ?リョウ、ため息。どうかした?」
――‥なんで俺はこんなヤツを…。

あ。またリョウため息ついてる。なんか悩みでもあるのかな〜
悩みならあたしが聞くぞ〜ふぅ〜 お腹いっぱい。


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