私の彼氏の優しいところ-2
そして、数時間後…
散々な料理の残骸を目の前にうぅ……と泣きそうな声を出す私。
「まあ、仕方ないでしょ!諦めてなんか変わりのお菓子にしなさいよ」
と慰めるように渚は言う。しかし……
「絶対に嫌!和之と約束したもん!それに将来、結婚する時に奥さんは料理できないと夫に浮気されちゃうんだもん!!」
はぁ〜ワガママなんだから、と溜め息をつく渚。
まあ皆さんのツッコミはそこかよ!!
という苦情は作者に直接言ってもらうとして……
渚は苦笑いをしながら私にこう言ってくれた。
「まあ、乗り掛かった船だしね。最後まで付き合ってあげるわよ」
はぅ〜こんな友達を持って私は幸せ者だよぉ〜
「渚ぁ〜大好きぃ〜!!」
と私は渚に抱き着く。
「お〜お〜よしよし、じゃあ早くお弁当作っちゃおうね〜」
と赤ん坊をなだめるように私の頭を撫でる。
さて、そうして再開された料理作りの様子は会話のみでお楽しみください。
渚「ちょ、ちょっと!!優菜!!」
優「え?あっ!わわわ〜!」
渚「だから〜って!そっちのフライパン!!焦げてるよ!」
優「きゃ!大変〜!!」
渚「わ〜!だから、危ないから包丁を振り回すな〜〜!!」
優「痛い〜!熱い〜!怖い〜!(泣)」
渚「ちょ!何、指切って血をドバドバ出してんのよ!!死んじゃうって!!」
優「あ〜なんか気持ち良くなって……」
渚「なるな〜〜!!ダメ〜〜!!逝っちゃダメ〜〜〜〜!!!」
…………まさに命懸けでした。
翌日、バレンタインデーのお昼休み……
「………なんか凄かったみたいだね」
私を見てそう言う和之。
顔にはなんだから心配そうな感じが浮かんでいる。
「あ、あははは〜まあそれなりに……ね」
と答える私。
まあ心配になるのは当たり前かもしれない。
なにしろ、指には絆創膏がいっぱいだし、顔には火傷の痕があるし、手首には包帯が巻いてある。
出来れば手首の包帯に関しては触れないでほしい…
「で、でも!お弁当はちゃんと出来てるから!心配しないで!」
と言って私は和之にはい!と言ってお弁当を渡す。
「う…うん。ありがとう…」とっても不安げな顔でお弁当を受け取る和之。
ま、まあ…こんな姿を見れば仕方ないけどね…
でも、ここまで露骨だとさすがに傷ついちゃうなぁ…
「じ、じゃあいただきま〜す!!」
そんな私の様子に気付いたのか和之は無理矢理明るくなってお弁当の蓋を開ける。
その瞬間、私は怖くなって目をぎゅっとつむった。