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貴方の妻にしてください
【熟女/人妻 官能小説】

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貴方の妻にしてください2-1

第二話  坂上 徹

今日の妻は名無しのごんべえ。
利用者カルテに希望の名前すらない。
呼びかけの希望も無しだ。

「結婚体験 あなたの妻にしてください」は風俗とは違う。
夫婦関係に避けられないセックスだけを取り上げるなら
カテゴリは風俗となるのだろうか

朝10時から午後5時までの7時間の契約。
それを午後5時から夜中の12時という仮設定で
仕事帰りから寝るまでの夫婦の生活を体験できるシステム。

もちろん、時間内は夫婦らしいことなら何をしても良い。
朝のままの環境設定を望むならそれも良し。
カーテンを厚くひけば夜設定というわけだ。
ただし、マンションの室内限定。外出は禁止されている。

申し込み要項には 細かいアンケートリストがある。
理想 要望も当然書き込めるが、個人的な情報もかなり
細かく質問されている。夫婦という「関係」を7時間満喫するにはそれなりの情報は必要なのである

ただし、申し込む側にも条件があった。
50歳以上、未婚結婚経験のない男性限定である。
そして、オーナーとの面談の上に契約が成立する。

今日の利用客は 坂上徹 50歳
「カルテ」の記載は一切 希望として無し
ただし、添付書類がその理由を説明してあった。

いろいろな事情があって申し込む利用者の希望に沿う
それが最優先の目的である。
セックスすらせずに一日過ごした利用者も少なくない。
安らぎと平安と愛される安心感、満足感。
それらを求めている利用者が多いからだ。

それゆえに、優しさや温かさを「愛」として提供する側は難しい。心から本当に愛していないとただの愛想では相手の心にまで達しない。

ここの女たちは選ばれた女たちである。
オーナーの目にかかり、際立った「理想の女」のプロである。
当然、見かけではない。むしろ内面の豊かさ、母性である。

坂上徹はまた、さらに難易度の高い客のようだった。
その心をどうほぐすか、たった七時間では何も与えられないかも知れない。
だが、女は精一杯の心からの愛で坂上を満たしたいと思っていた。

「ピンポーン」
さあ、ゴングが鳴った。試合開始である。
妻である女が出迎える。
「おかえりなさい」つとめて明るく人懐っこい笑顔で坂上を迎えた。
案の定坂上は怪訝な顔つきで「妻」を横目にチラリと見ただけで黙っている。

夫用のブルーのスリッパを揃えて「どうぞ」と招き入れた。
坂上は珍しそうに玄関から部屋を見回して、無言のままリビングに向かった。

「お腹すいてます?お風呂も沸いてますけど?」
妻である女がキッチンから声をかける。
何のリクエストも情報もない夕食の献立は、オムライス、マカロニサラダ、コーンスープ。

もし、名前を逆に尋ねられたら「友紀」と答えようと用意していた。
友紀は坂上の添付書類から
たぶん、こういうメニューが好みであろうと憶測していた。


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