=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-41
『(…………このような場で倒れたら、誰がこやつを運ぶのだ?)』
「……………zzz。」
『(……………まったく………………安らかな寝顔で寝おって。)』
蒼真の顔は、本当に穏やかだった。
頬の温もりが………まだ………温かかった…………。
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美月は力の限り走り続けていた。
一週間前も同じ事をしていた気がするが、まぁそれはよいだろう。
ただ、恥ずかしかった。
ついにしてしまった。
してしまったのだ。
「(ざ……様ぁ見なさいっ!困ったでしょっ)!今頃あたふたしてるでしょっ!」
自分の中だけで、必死に言い訳を形成していく。
「(でも……………きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!どうしよう、今になってとんでもない事しちゃった気がするっ!)」
うん。
したよ。
とんでもない事。
「(きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜//////////っ!!)」
真っ赤な顔をした人間が全力疾走している姿は、さぞかし怪しいだろう。
「はぁっ………はぁっ………はぁっ………はぁっ………。」
かなりの距離を全力疾走したので、疲労がきた。
もうそろそろ巻けただろう。
そう判断したため、止まり、先程言った言葉を繰り返す。
「ありがとう…………蒼真……………。」
そして…………………
「大好き……………。」
蒼真には聞こえないはずなのに、
小さい声で、
ホントに小さい声で、
言った。