=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-4
グリンッ!
全員の視線が、蒼真に集中した。
蒼真の顔が…………汗腺から排出された液体で埋め尽くされる。
表情は………固まったまま………。
「…………………。」
蒼真以外の全員が、答えを待っていた。
七不思議の五つ目の謎がついに………………!!
「(ご……………ごまかすしかない!!)」
0コンマ数秒で、様々な思案が流れる。
ナイアガラもびっくりの量で。
「け……………」
『"け"!!??』
39人が、蒼真に押し迫る。
「………………………。」
『………………………。』
「………………………。」
『………………………。』
「…………………………ケータイ……。」
無理だった。
五時限目の授業は、39:1の、なんとバランスの悪い鬼ごっことなった。
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なんとか、逃げ切り、さらに六時限目をサボって、本当の理由を知られずに済んだのだった。
だが、帰りのホームルームでは、みんなの視線がやたら痛かった。
今の2年C組は、隙あらば蒼真のリストバンドをめくろうと狙っている、ハイエナに相応しい。
『以後、気をつけよう。』
トラブルの張本人が言った。
「頼むよ…………で、どこだっけ?」
『水無月市役所だ。』
蒼真が一人で帰っているもう一つの理由………。
それは、バルが蒼真に行ってほしい場所があるそうだ。
その場所は、一週間前の出来事と、大いに関係がある場所らしい。
今は、そこに向かっている。
一応、後ろは確認した。
ハイエナのスパイはない。
「…………着いたよ。」
『うむ。』
市役所だ。
まったくもって普通の市役所だ。
ここに、どんな関係が…………。