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=《蒼閃機甲バルトーク》=
【学園物 恋愛小説】

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=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-3

『すまぬ。』
「…………これからは気をつけてよ?」

人はいない…………だが、声の存在はある。
カラクリは、その"右腕"。
リストバンドの下に埋め込まれているブレスレット(蒼真は『バルブレス』と名付けた)。

なぜ、バルブレスからバルの声がするのか。
それは、バル自身がバルブレスに入り込んでいるのである。
このブレスレットは、どうやらバルと関係があるものだったらしい。
バルとの完全な互換性があるのだった。

さて、蒼真が言った"あの時"について説明しなければいけないだろう。


★☆★☆★☆★☆★☆


それは、本日の昼休みのこと………
蒼真達のクラス、2年C組にて………


ボ――――――――――――――――――――――――――ッ


………っとしているのは、自分の席に座り、頬杖をついている蒼真。
完全に自分の世界へとログインしていた。
しばらくログアウトしないだろう。
そんな蒼真の周りは、今だに一週間前の出来事が話題となっている。
あのロボットの正体、パイロットは誰か、今度はどこに怪物が出るか、などの会話が、教室を埋め尽くしていた。

そんな中、一人…………いや、一機、物思いに耽る者がいた。
蒼真の右腕、"蒼閃"バルである。

『(そろそろ………蒼真に話すべきか。)』

彼は、とある人物から命令された事を、今、実行に移そうとしていた。
だから、言った。
周りの人の存在を忘れて。

「『蒼真。』」

声が、重なった。

ボ――――― …………………………………………

蒼真の時は、止まった。

ギギギギ…………

ゆっくりと、蒼真は横を見る。
何かの用事があったのだろう。
美作美月が隣にいる。
用事があったから、美月は蒼真に話しかけた。
だが、美月の頭の中に、すでにその用事は、ない。
その驚愕に満ちた顔を見れば分かる。
美月との声が重なった。
誰と?
バルと。

やがて、美月は、言った。

「い…………今、あ、あんたのリストバンド………喋らなかった?」

急に、周りのざわめきが、止まった。
沸騰したお湯が、突然南極にぶちこまれても、ここまで急にさめないだろう。


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