=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-17
「(エヘヘ………どうやって答えようかな………。)」
滅多にこんなかわいい笑い方をしない美月だったが、この状況でテンションがおかしくならないはずがない。
返事は…………………………決まってる、OKだ。
何せ、ずっと好きだった幼なじみからの告白だ。
OKに決まってる。
問題は、どうやって答えるかだ。
今まで焦らされた分、かなり困らせたい。
「(もしかして、雰囲気に流されて…………キスとかしちゃったり……………エヘッ、困っちゃうな。)」
あんたが困ってどうする、あんたが。
★☆★☆★☆★☆★☆
周防宅。
「はぁ〜…………。」
自室のベットでゴロゴロしている蒼真の姿。
ため息が尽きない。
と、バルが、
『なぜ"明日"と言い直した?』
今はバルの存在を知っている和美が、台所で夕食の用意をしているのみである。
バルは迷わず蒼真に尋ねた。
「いや、うん、だってさ、なんか、その………自信なくなっちゃって…………あはは。」
『まったく、こういう事は勢いが大事だと知らぬのか?』
「………うん、分かってるんだ。でもさ、美月にあんな事話すなんて……なんか想像できなくて。」
『そこは根性というものであろう。』
「はぁ〜、大丈夫。明日は絶対言うから。でも……………」
ベットの中で転げ回り始めた。
末期症状である。
「どうやって言おう………。」
★☆★☆★☆★☆★☆
「(どうやって答えようかな。)」
★☆★☆★☆★☆★☆
「「(困っちゃうな〜〜〜〜〜〜!!!!)」」
二人で悩む。
当然、それぞれの意味合いはまったく正反対だが……………。
★☆★☆★☆★☆★☆
「はぁ〜、最近、悩んでばっかだよな………オレ。」
蒼真は思う。
少しはボーッとしたい。
『だったら、少しは気分転換などしたらどうだ?』
「気分転換?」
『そうだ。例えば…………新聞を読むなど。』
「う〜ん………。」
そういえば、昨日、橘長官に言われた。
"日本の事件を隠れみのにするはずだ。だから、新聞やニュースに出てくるような事件の中に、エンシェント絡みの事件が紛れ混んでいる。"
新聞や、ニュースに、エンシェントの隠れみのになっているらしい。
探してみるのもよいかもしれない。
これも、仕事のうちだ。
「そうかもね。」
そう言って、蒼真は橘長官の言葉を実行する。