=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第弐斬「すれ違う告白」〜-11
「ひっ…………!!!」
男は部屋に戻ろうと、いや、逃げようと、走ろうとした。
だが、できない。
腰がぬけてないと言えば嘘となるが、なによりの理由は………卵から伸びた手が、男を掴んでいる。
三本の爪がある。
そして、腕に盾のような外骨格が。
ピシッ
さらにヒビが…………
「う、うわぁぁ〜〜〜っ!!!」
デパート内に誰もいなかった。
助けは………ない。
パキィン!
――――割れた。
悲鳴が………児玉した…………。
これは、市役所での出来事の七時間後の事である。
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さて、蒼真は言われた通りに、周防和美に自分の真実を言った。
ためらいはあったが、これからの自分の境遇を考えると、言わざるを得ない。
怖がられる事覚悟で、言った。
反応は…………
「あれお兄ちゃんだったの!?カッコイイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
ナチュラルに受け入れた。
さすが小学生。
柔軟性はバッチリだ。
そんなこんなで第一の問題は解決。
第二の問題は…………
「美月に………なんて言おう………。」
そう、幼なじみにも言わなくてはならないのだった。
当然、和美のような柔軟性はないだろう。
あんな性格の美月の事だ。
何を言い出すか分かったもんじゃない。
「はぁ〜……………。」
深いため息。
『仕方なかろう。いつかは明らかになる事だ。』
「そうだけどさぁ…………。」
『頑張れ、応援はしといてやる。』
「はぁ……明日、学校で言おう。」
『うむ。』