記憶のきみ9-5 「……青空♪」 「なに?甘えた声だして」 「……ありがとう」 「……なんで?」 「うちを救ってくれたから」 「……大げさだよ。俺が葵を好きになったんだから」 「あはは……これからずっとずっと、めいっぱい愛してください」 「……はい」 爽やかな風が吹いた。 空は雲ひとつない青。 ふたりは笑い合いながら、目の前の道をゆっくりと歩き出した。