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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第四章-4

ココには偶然にも、どちらかというと型にはまったあの居合いの男のような者ではなく比較的実戦向きな人間が集まった。

そしてその試合を見た感想から、各人の適切な修行方法を老人は考えだす。

「まずはハロルド
おぬしは体格にも恵まれてスピードもあり総合的に強い
しかし、特にこれといって穴は無いが、体のバランスが悪いのか強い衝撃に弱いのぅ
決勝も居合いを受けきれずにバランスを崩されてからの敗北。
さっそく実戦的な訓練を始めるが、さらに足腰の強化とボディバランスを良くすることが必要じゃな」

ハロルドはずばり自分の気にしていたところを指摘されて、少しうつむきかけたが、それを偉がコーチしてくれるということに喜びを覚えたのか、やる気を見せる返事をした。

「次に椿
おぬしも軽量だがパワーヒットも出来て、変形刀を自在に使いこなす
多分、あのミスか何かが無ければ優勝していたのでは…と、ワシの目には映ったな
ボディバランスもとても良く実戦向き
こちらも実戦的な修行と戦いのセンスをさらに磨いての全体的な強化をはかろうと思う」

そして椿もハロルドに続いて前向きな反応を見せた。

「そしてシルディアちゃん
女の子なのにその強さは驚きじゃのぅ
その重い刀とアンバランスなようで、それでいて華奢に見える体から見せる脅威のスピードとダッシュ力
そのか細い足で…」

老人は普段着で短パンのシルディアの足を眺める。

眺める

眺める

眺める…

…眺める…

「おい」
そこに椿が老人の視界を遮る

ふと我に返る老人

コホンと咳払いをして続ける

「多分…その足技や踏み込みは誰かから教わったものではないか?」

老人の問いに首をかしげるシルディア

「うーん…私をコーチしてくれた先生かなぁ?
私が全然刀を振り回せなかった頃に教えてもらった踏み込みの方法とかが今の戦い方の基本になってると思う」

「ほう…その踏み込み…」

老人の目が一気に威厳を放つ

「拳法にも通じる『気功』じゃな」

「『気功』?」

老人は過去を思い出すように遠い目をしながら語る

「ワシが過去に小柄ながらも強靭な相手に打ち勝ってきたのは、中国拳法で培った気功の要素が大きいのじゃ
いくらバランスが良くて動きが早くても、ハエの止まるような力では勝てるわけが無い」

そこまで言ったところで乗り物は止まる。

お偉いさんが話を途切らせ皆に降りるように促す。


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