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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第四章-3

元は日本文化の剣術などを趣味で研究していたところ、忍者に憧れてクナイの両手持ちから始まって、
そのうちその普通よりガタイの良いがゆえの腕力で、少しづつ刃渡りを大きくして今のサイズが一番使いやすいらしい。
地味や無口は忍者に憧れて出来た性格だろうか

その硬くなっている手や締まった体つきを見て、そうとう鍛錬を積んでいる真面目な人だという印象が受ける。

そして最後に、大会の参加者でもなんでもない、小柄な老人の自己紹介となった。

「ワシの名は 『偉 白光』」

この名を聞いたとたんに椿とハロルドが驚くそぶりを見せる

そう
偉は剣技や格闘技に詳しければ大体が知っている超がつくほどの偉人だ。

偉が若かりし頃、自国の文化「中国拳法」から始まって、当時まだメジャーであったボクシングで小柄な選手ながらその階級のチャンピオンとなる。
真似の出来ない超人的なバランス感覚と、気力精神力
そしてその新人類の体

それから最大メジャーな剣術に舞台を移行しても、圧倒的な強さでランキングトップに躍り出て、
40代後半まで一級選手として君臨していた。

そして大きな大会で優勝を飾ると共に、引退表明
姿を消す。

とはいえ、その時は椿もハロルドも産まれても居なかったのだが……

その失踪の謎もこの二人には一瞬で理解できた
偉は国に力を貸していたのだ。

人類最強とも歌われていた偉
国としてはこれほど強い味方も居なかっただろう。

それに偉は正義の人としても有名だったし、人柄もとてもよかったので、当時はどこかで人助けでもしているのではという憶測が有力であったが、まさにその通りだった。


そして一通りの紹介が終わって、また老人が口を開く。

「とりあえずは3人には、ワシの指揮下についてもらいたい。
もちろん、おぬしらの戦いは見させてもらってその腕は評価しているが、まずはワシの元で訓練を受けて欲しい。」

これには椿もハロルドも断るはずも無い。
あの偉人の指揮の下で、さらにはその手ほどきが受けれるのだ。

シルディアも偉のことは知らなかったが、椿の反応を見てこれは凄いことなのだと感じた。

そして誰も拒否の声を上げないのを見て、老人はまた続ける。

「おぬしらは強い
強いが、それは舞台でのこと
実戦では試合での駆け引きなど屁ほども役には立たぬ
相手は何でも使ってくるし、当然こちらの常識外での行動も起こす
まずワシと修行しながら実戦的なものに慣れてもらおう」

誰もがそれは納得だった。

あの居合いの男も言っていたが、壇上での剣で強いより実戦向きかどうかはとても大切である。


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