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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第四章-5

そこは広い訓練施設だった。
椿が泊まっていたような高級ホテルほどの綺麗な居住スペースや、実戦で使えるだろう広かったり狭かったり様々な設定で訓練できるスペース。

まさに修行の場として作られたところだった。

降りて早々椿が偉に話しかける
「偉、老師」

不意に声をかけられ椿の方に振り向く老人
「なんじゃ?」

「その気功ってんだけど…一体どの様なものなんでしょう?」

椿の問いを聞きながら、乗り物で鈍った体をほぐしつつ、椿の近くに寄る

「ふむ…ちょいと受けてみるかぇ?」

そういうと一瞬老人が異様な空気に包まれ、トンと軽く突き上げたような拳を椿に当てる。

ドンっ!!!!!!!!!

鈍い音と共に跳ね上がる椿の体。

アバラの数本が折れたのじゃないかという、まるで交通事故にでもあったような衝撃。

怪我や傷こそは出来ない体ではあるが、椿は苦しそうな顔でその場に座り込む

「これが……ケホッ
気功…かぁ」

齢80歳を超える老人にして、このパワー
その小さく体つきも貧弱にも見える見た目からは想像も出来ない力

3人は老人がいかに強かったかを実感する。
そして、衰退しているはずの今でも、まだまだ自分がかなう相手ではないと思った。

その小さな体が、何倍にも大きく強く目に映った。

「これは生半可で身につくものではない。
それこそ何年何十年という修行にて身につく技術じゃ
シルディアちゃん、おぬしはその基礎が僅かに出来ておる
確かに、そのパワーはどうにもならんが、それ以上の破壊力を身につけることのほうが良いのではとワシは思うのだが…
どうじゃろ?」

シルディアも下手に筋肉をつけるより、今の状態が戦いにはベストだと思っていた。
しかし、やはり男子には見劣りするそのパワー
それを強化するためにうってつけとも思える『気功』

是非自分の力にしたかった
当然、元気良く返事を返す。


「それじゃ、今日は親睦を深めるためにも…
一杯どうかの?」

老人は、ここに集まってくれた3人と仲良くやっていくためにもと、初日は酒でも囲もうじゃないかとホテルの一室にて宴会をすることをお偉いさんに告げた。

お偉いさんも賛成だった。
3人も誰一人断る理由もなく、これからのことに歳がらもなくドキドキしながら、まずは楽しいひと時を過ごしたのだった。


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