きっと、そうー体育祭-1
昨日ー・・・
しばらくあたふたした私は悠哉に笑われた後、おずおずと悠哉の手を取り家まで送ってもらった。
何を話したとか、ほとんど覚えていない。
ただ頭に残っているのは、斜め上の近い距離から送られる優しい笑顔と、繋いだ手から伝わる心地よい体温だけ。
手を繋いで帰るとか・・・・さ。
期待、しちゃうじゃん。
しかも、昨日の帰り際に
『明日、体育祭終わったら教室に居てくれない?』
って・・・・・・。
ああ!だめだ。都合のいい解釈しすぎ。
とりあえず、今日は体育祭本番何だからクラスのために頑張らないと!
でも、委員会が一緒なのでどうしても会ってしまう。
目が追ってしまう。
あ、走ってる。
早いなー・・・
一着だ。
・・・ん?
男子が走ってるってことは・・・次女子の番!?
「やばい!!」
思わず一人で叫んでしまう。
周りの人に見られながらも、集合場所へと急いだ。
「町田さん、遅いわよ!」
もうすでにみんな集まっていて、癒芽が最後のようだった。
しかも、担当の先生が嫌味ばかり言う先生。
散々、グチグチと説教をくらい列に入った。
「癒芽?」
声がして振り替えると、体操服で汗を拭う悠哉の姿。
腹の部分を引っ張り汗を拭っているので、適度に割れている腹筋が見えている。
その姿がやけに色っぽくて、ドキッとしてしまう。