女教師の蜜肉-7
そこは美子が何度か自分を慰めたことのある公園で、昼間はジョギングや犬の散歩などに人が多く往来していたが、今は人気も少なく、たまにアベックが行き来するくらいであった。
「はあ、私ったら何をしているんだろう……」
顔を両手で覆い、自己嫌悪の為に大きく溜息を吐く美子。美子は側にあったゴミ箱に買ったばかりの品物を放り込みむと、よろよろとした足取りでその場を離れた。頭の中には店員の表情がちらちらとよぎり、美子を嘲笑っているように思えて仕方がなかった。
そこへ、突然数人の男達が茂みから現れ、美子の前に立ちはだかった。
「……あ、あの、何か?」
にやにやと下卑た笑いを浮かべ、美子を取り囲む男達。どの男も労務者風で薄汚い恰好をし、無精ひげを蓄え、近付くとすえた汗の匂いが鼻を突いた。美子が方向を変えて立ち去ろうとすると、行く手を遮り、美子の細い手首を掴んで引き戻す。
「や、やめてくださいっ!?」
身を縮めて悲鳴を上げる美子。男達はそんな美子の様子をいやらしい目つきで舐め回し、くつくつと喉を鳴らす。
「やっと見つけたぜ。あんただろ、近頃この辺りをうろついている痴女って言うのは?」
男の言葉に、美子の顔から血の気が引いていく。
「な、何のことです?変な言いがかりはやめてください……」
美子は首を横に振るが、男は更に言葉を続けた。
「とぼけたって駄目だぜ。こんな尻の付け根まで見えそうな短いスカートはいてよ。よっぽど男に飢えてるんじゃないか?それに、俺はお前が草むらで小便したり、トイレでマスかいてんのを知ってんだからよ」
男の言葉に、美子は返す言葉もなかった。
「へへへ……。あんたみたいな美人が、男に飢えているなんて勿体ないね。俺達も長いこと女日照りでよ、お互い慰め合おうってことでどうだい?」
そう言うと男は、いきなり美子の身体を引き寄せると、その胸元にごつごつした手を滑り込ませた。
「いやぁあっ!?」
悲鳴を上げる美子。しかし、男は乱暴に美子の乳房を掴むと、ぐにぐにとその柔らかな肌の感触を楽しんだ。
「ひひひ、ノーブラじゃねぇか。これで、嫌も何もないもんだぜ。それにしてもでかくて柔らかくて揉みがいがあるぜ……。それにこの手の平に当たる乳首の感触がたまらないぜ」
「はぁあ、いやっ!……もう、放してぇえっ!!」
藻掻く美子。しかし、男は美子の身体を解放するわけもなく、そのうちに興奮した他の男達が次々と手を伸ばしてきた。
「このむちむちとした太股がたまんないぜ。どれ、もしかしてこっちもノーパンとか?」
別の男がしゃがみ込み、美子の太股を持ち上げた。それでなくても短いスカートはすぐにめくれ上がり、精緻な刺繍の施されたショーツと、薄布に包まれた柔らかな土手が露わになる。
「残念。流石にノーパンというわけにはいかなかったか。だけどどうせ脱いじまうんだ。俺が脱がしてやるぜ」
美子の股間に頭を潜り込ませた男が、スカートをたくし上げ、腰骨に頼りなく引っかかったショーツの両脇に手をかける。
最早絶望的と、これまでのはしたない行動を悔悟する美子であったが、その時、不意にライトが男達を照らし、鋭い詰問の声が飛んだ。
「おい、お前達っ!そこで何をしている!!」
眩しい光に怯む男達。その隙をついて美子は男達の手をふりほどいて走り出した。
「あ、待てぇ、このっ!!」
慌てて美子の後を追おうとする男達であったが、ライトの光が視界を遮りままならない。また、後ろめたい事をしていたという気持ちから、美子の後を追うことが出来ず、男達は四方八方にその場を逃げ出した。
美子は無我夢中で逃げた。何処をどう走ったのか、途中男達が追いかけてくるのではないかという恐怖に何度も後ろを振り返りながら。やっと落ち着きを取り戻したのは電車の中であった。既にラッシュ時は過ぎているので車内はまばらであったが、その誰もが好奇の目を向けている気がして美子は身を縮めた。
やがて、美子は何とか自宅のマンション前まで戻ってきていた。震える手でオートロックの暗証番号を打ち込むと、自動扉をくぐり中へはいる。マンションの中は静まり返っていたが、マンションの中へ入った美子はほっと安堵の胸を撫で下ろした。
自室に戻ると、電気もつけずにベッドの上に倒れ込む美子。もう、自分自身が何がしたいのかよく分からず、枕を引き寄せて顔を埋める。