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女教師の蜜肉
【教師 官能小説】

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女教師の蜜肉-1

 季節は夏。
 その年は記録的な猛暑と言われ、うだるような暑さと、けたたましく鳴き続ける蝉の声に教室の中で机に向かう生徒は誰もが早く午後の授業が終わって欲しいと願っていた。
 窓際に座る生徒は陽炎立ち上る焼けたグラウンドに目をやり、続いて誰もが恨めしそうに空を見上げる。しかし、太陽は肌を刺すほどに燃え盛り、陽光を遮る筈の雲など青い空に一片たりとも存在しなかった。
 此処、私立正真高等学校はN県でも有数の進学校である。古くからあるミッション系の学校で、今となっては数少ない煉瓦造りの校舎が建ち並び、少し郷愁を誘う趣のある学舎であった。
 と言っても、そんな古い校舎で授業を受けさせられる方はたまったものではなく、冷房のない校舎では夏の暑い盛りにはとても勉強どころではなかった。
 もっとも、生徒はだらしなく机に突っ伏そうが、下敷きで汗ばんだ身体を扇ごうがある程度仕方のないところがあるが、教壇の上に立つ教師はそう言うわけにはいかない。
 今も、若い女性教師がだらけきった生徒を叱咤しながら、暑さを極力表情に出さずに、毅然とした態度で授業を続けていた。
 その教師の名前は蜂谷美子。一年四組の副担任で担当の教科は英語である。端整な顔立ちで一見すると近寄りがたい冷たい印象を受けるが、実際は気さくで面倒見がよく、男女どちらの生徒にも人気が高かった。
 また、美子の成熟した身体は甘い香りを漂わせ、大人の色気を発散しており、春に目覚めたばかりの男子生徒は皆熱い眼差しで美子を見つめた。もっとも、多くの生徒はもやもやと漠然とした憧れを抱くくらいなのだが、幼い頃から高い教育を詰め込まれ、性的な情報から隔離されて育った生徒の中には露骨に性的好奇心で美子の熟れた肉体を見る者もいた。
「…ですから、この場合(やだ、また見てる…)」
 そんな中で、とりわけ美子に熱い眼差しを向けているのが杜桜裕であった。さらさらとした柔らかな髪の毛が印象的な、ちょっとした美少年なのだが、美子を舐め回すように見つめるその目は尋常ではなく、美子はその視線をどうしても意識してしまうのだった。
 まるっきり美子の思い過ごしであればよいのだが、実際裕の目は美子の乳房や首筋など女の部分を露骨に見ており、後ろを向いてもお尻などに視線が絡み付いてくるようで、裕が美子を性の対象として見ているのは明らかであった。
 その上、裕は時折股間を起立させており、思わず視線をやった美子の方が赤面するほどであった。意識すまいとすればするほど意識してしまい、その日は授業にならないほどで、自分の意志の弱さに自己嫌悪さえ覚えた。
 此処連日は裕の視線も更に粘っこさを増しており、美子はどうにも授業がやりづらくて仕方がなかった。
 もっとも、裕の視線が粘っこさを増した理由は暑さにあり、美子もそれは十分に予測していた。暑さの為に美子は薄着にならざるを得ず、それが裕の視線を誘うと知りつつも、仕方のないことと諦めていた。冷房の無い教室で長時間授業をする為には致し方のないことなのだ。
 その日の美子は白いブラウスに黒いタイトスカートを身に着けていた。学校の風潮として地味な恰好が好まれるからだ。しかし、その白いブラウスが汗でべったりと柔肌に張り付き、豊満な胸元を透過して白いブラのカップのその精緻な刺繍さえもが見えていた。そしてスカートは身体にまとわりつき、肉付きのよいお尻の形を浮き立たせている。ある意味裸よりも官能的であり、その上汗を垂らして酷暑に耐える表情はなんとも煽情的であった。
 美子は自分で知らないうちにそうした色気を匂い立たせているのだが、当の本人は生徒とは別の意味で、早く授業が終わって欲しいと願っていた。裕の視線が汁となって尻のくぼみに流れ込む汗さえも透視しているようで、全てを見られているような感覚がどうにも耐えられないのだ。
 やがて、終業の鐘が鳴り響き、美子は安堵に胸を撫で下ろし、足早に教室を飛び出した。教員用のシャワー室で汗を流し、べたべたになった衣服を早く着替えたかった。そして、脳裏に焼き付くいやらしい視線を早く頭の中から追い出したかった。


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