舞い斬る華 番外 シルディアの過去編-7
様々な思いの詰まった日本刀。
しかし、今度はその刃を自分に向けることは無かった。
彼女は施設に戻り、剣術を磨いた。
最初は泣き通した夜が続いたが、腕を磨くにつれ、精神も鍛えられ彼女は心身ともに強くなっていった。
彼女は剣術道場にも通った。
そして歳月は流れる。
彼女が中学卒業のときに丁度、家の蓄えも尽きた。
しかし、そこで手にした剣術レベルは地域の大会で優勝できるくらいの腕前にまで達していた。
そして彼女も高校には行かず、中学卒業と共に刀1本で世界を巡り、力を付けようと僅かな資金で武者修行の旅に出る。
父から譲り受けた愛刀を持って…
今ではその刀はもう斬れないし、戦いの中で身に付けたスタイルに合うもっと大きな太刀を愛刀としているが
実家のシルディアの部屋には今でもその刀は大切に飾られている。
いくつかのトロフィーと、両親の思い出を添えて…
…
そして今、
シルディアは椿に心の中でこう囁く…
「ねぇ椿?
私さ、椿のその刀を見るときや試合が始まったときの真剣な顔…好きだよ♪」