=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-5
もはや、この業界お約束だが、蒼真はかなりカッコイイ部類に入っていた。
いつも心ここにあらずという感じだが、性格はとてもよい。
顔もよし、性格もよしとすれば、モテないはずがなかった。
いくばく人もの女子が彼にアタックときめこんでいるが、蒼真は全て丁重にお断り申し上げている。
そういう美月も、彼のささやかな魅力にとらわれたうちの一人であったりするからさぁ大変だ。
いつこの幼なじみが他の女子に取られるか戦々恐々なのである。
だが、告白もできないのだ。
こんな性格、故に。
「(はぁ…………。)」
心の中でため息。
重傷です。
救急車、救急車〜!!
「(私の事なんて………幼なじみとしか見てないんだよね………。)」
認めたくない。
だが、認めるしかない。
そんな辛い現実が、彼女の心を締め付けるのであった。
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「ついに…………。」
彼は、言った。
「ついに…………。」
素直な、感想を。
「ついに…………。」
喜びの、言葉を。
「ついに…………!」
言った。
「外界だ…………………。」
やはり一億年ぶりの空気はうまかった。
「外界……………。」
やはり一億年ぶりの光は眩しかった。
「出た…………。」
あまりの喜びに言葉が繋がらない。
支離滅裂である。
「復讐…………。」
それはすぐさま狂気へと変化する。
「滅する………全て………。」
とりあえず、人類を滅ぼしとこうと、彼は考えた。
これは、蒼真や美月が会話していた頃から五分後の出来事である。
たった…………五分。