=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-21
「ぁっ!!」
斬!!
切った。
一本を、問答無用に。
「まだ!」
「っ!」
それでも襲撃は収まらない。
ギリギリで、胸を横に反らし、回避。
「甘い!!」
体勢を立て直す勢いで、斬撃を放つ。
また一本が、弾け飛んだ。
そして、跳躍。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
上から、落下と同時に、刀を振り下ろした。
「フッ…………。」
キィンッ!!
オロチは、それを爪で止める。
刃が交錯する音。
「っ………やばっ………。」
来た。
残りの頭が、全てバルに向かって来る。
「シフトダウン、ファルコンモード!!」
戦闘機に戻った。
六本の頭が擦り抜ける。
「(後ろ。)」
言葉通り、背後に回り込み、
「シフトアップ!」
変形。
「もらった!」
斬!!
オロチが気付いた時には、すでにバル刀が鞘に収まっていた。
頭が、宙を舞う。
三本目。
残り三本。
「ぐぅっ…………こざかしい。」
オロチが呻く。
「消えろぉぉっ!!!」
オロチは向き直り、残りの頭を放った。
「(できる………今なら………。)」
バルは、足に力を込めた。
そして、腰の刀の柄を握る。