=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-11
――――来た!
「あ、美月お姉ちゃん、おはよ〜!」
周防和美の声だ。
隣には、本日のターゲットが。
「あ、お、おはよう………。」
どこかぎこちない美月の挨拶。
だが、それに構わず、和美は言う。
「行ってきま〜す♪」
和美は二人とは反対方向へと向かって行った。
小学校は反対方面なのである。
「よっ、美月。」
「お、おはよ。」
「?」
「い、行こ?」
「うん…………?」
二人は歩きだした。
「顔色悪いけど、どうしたの?」
そう言ったのは蒼真ではない。
美月だ。
「え………あ、やだなぁ、美月はそんな事まで分かっちゃうの?」
「風邪………?大丈夫?」
「ううん、違う違う。変な、夢見ちゃったんだ。」
「顔色悪くなる程の夢?」
「あ…………。」
内容は言えない。
ブレスレットの下、七不思議に関わる事だからだ。
「た……たいした事ないよ。ただの、夢だから。」
「ふ〜ん。」
「それよりもさ、あはは、問題は今日だよ。」
「え、なんかあったっけ?」
「レポート、提出なんだ。」
「え゛っ、ちょっとあんた、冬休みから何日経ってると思ってんのよ?」
「あはは、終わんなくてさ。でも大丈夫。昨日終わらせたから。」
「ったく…………。何まとめたの?」
「"戦闘機の操縦方法"。」
「うわっ………なんかマニアックね………。」
「べ、別にいいじゃん。適当に選んだんだから。」
そんなこんなで、いつも昼を買うコンビニに辿り着いた。
「今日の昼何しよっかな〜。」
蒼真が言う。
「(今だ………今しかない………!!)」
グッと、手の中の物を握った。
「そ、蒼真!!」
「え?」
コンビニに入ろうとした蒼真が振り向く。
「(言え!勇気を振り絞って!)」
美月は手の中の物を差し出した。