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【純愛 恋愛小説】

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-1

その時の私は、世界で一番幸せだったのかもしれない。


「青と付き合えて嬉しかった…けど青が何考えてんのか解らなくなってきて…だから別れよ」
「解った。今まで有難うな」
篠崎 青(しのさき あお)高校2年生。
自分で言うとなんやが男うけが良え。
せやけど私は今世間で言う"来る者拒まず去る者追わず"状態や。
けどな、これには訳があんねん。
私は2年前に付き合ってた奴に犯されかけてん。
"男なんて体目当てや"



せやからあいつもそうやと思っとった。


「青ちゃ-ん」
パタパタと走って来るのは、同じクラスの田山 俊(たやま しゅん)。
「何?」
「また彼氏と別れたんだって?」
「あら、情報が早いこと」
「なあんでそんなに別れちゃうの?」
"好きじゃないから"
なんて言ったら噛みつかれそうや。
「さあ。私は振られた側やし理由なんて解らへんょ」
「ん〜…じゃあ、俺と付き合わない?」
<田山 俊>2年生を代表するモテ男。
ルックスを貶されない程の美貌を持ち、文武両道のトップを走る完璧男。
「は?」
頭の中で田山のプロフィールが流れた。
「何回も言わせないでょ〜。俺恥ずかしがり屋さんなんだから」
「あんま面白ない」
「冗談じゃないよ!俺本気!」
私の目を真っ直ぐ見る田山。
"こいつもどうせ同じや"
そう思いながら私はいつもの答えを返す。
「いいょ。嬉しい、有難うな」


--ピピピ-
ふと音の鳴った方向へ首を傾ける。
「誰やろ」
音の鳴った携帯を拾い上げ、パカッと携帯を開けた。
『明日から朝一緒に登校しない?』
それは田山からのメールだった。
『別に良えょ』
『じゃあ、8時頃迎え行くね♪』

翌日

--ピンポーン-
「はい」
ガチャと扉を開くとニコニコとした田山が居た。
「お迎えに参りましたお嬢様♪」
「はは、有難う」

学校へ着くまでに何人かの女生徒が私に向かって何か言うてた。
まあ、モテ男とたらし女が一緒に登校してれば私だって何か言うわな。
「さみい!ね、手繋がない?」
「ん、良えよ」
--ギュッ-
あ…田山の手暖かい…
「青ちゃん手冷たあい」
「田山は暖かいな」
「へへ♪まあね♪」


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