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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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季節の変わり目-2

教室のドアを開けると、クラス全員の冷たい視線が‥‥痛い‥‥遅刻した者には常に寒波が押し寄せる。
もちろん、あの人もいた。でも彼だけは優しく微笑んで、おはようって言ってくれた。


またそんなことして、あとでその行為があたしを苦しめるんだよって言ってやりたかった。

授業が終わると結城君が心配して来てくれた。

『今日、休むのかと思った。大丈夫なの?』

「うん、大丈夫。それにただの寝坊だから。」

『そうなんだ。なんかめずらしいね。寝坊なんて。
あっ、そうだ!!サッちゃんって呼んでいい!??』

「えっ?あっ‥うん。」

『俺のことも結城君じゃなくて圭佑でいいから!!じゃあ俺、次移動だから‥またね!!』

「うん、バイバイ。」




だめだ。また一歩近づいてしまった。


午後の授業は本当に退屈だ。もうあたしの楽しみはなくなってしまったから。

あの人を見ると今すぐにでも大きな声を上げて、泣きだしてしまいそうになる。
だから授業なんか受けてられない。
もともと人に教わるのが嫌いだから、授業なんてまともに受けたことはなかった。でもこの席になってから休み時間も授業が待ち遠しくなった。


今は一刻も早く長針が授業終了時刻に辿り着かないかと一人何度も時計と交信している。

時計はあたしが何度も念力を送ってるのに知らん顔するから、そのうちあたしは眠ってしまった。



少し肌寒くなって、目を覚ました。
頭がぼーっとして、視界がはっきりしない。黒板にはさっきまでしていた授業の痕跡が残っていた。

あぁ‥あたし授業が終わったのにも気づかないで眠りこけてた訳ね。


教室には誰もいない。
なんだか昨日のことがフラッシュバックしそうになって、溢れそうな涙を必死にこらえた。

とりあえず、ここにいるのはまずい。早く帰ろう。



昇降口に下りたら雨が降っていた。どしゃぶりではなく、すごく静かに‥。まるであたしの代わりに泣いてくれてるみたいだった。

あの天気予報、最後まで見とけばよかった。アナウンサーの笑顔は嘘でも予報は本当だったみたいだ。

傘を持っていないあたしはただ静かに降る雨を眺めていた。


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