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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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彼女の視線の先-2

でも俺は初めてだったんだ。
誰かを自分が求めることが。
今までテキトーに、告白された人の中から、これまたテキトーに付き合ってきた。来るもの拒まず、去るもの追わず状態だった。

だからどうしても君を自分のものにしたかった。
誰にも渡したくない、触れさせたくもない。



そして俺は最悪のことをした。
自分の親友の一番弱いとこをわざとついた。
奏人の一番いいところなのに、一番好きなところなのに‥。

俺は奏人に言ったんだ。
自分が彼女を好きであることを‥‥。

奏人は俺の話を聞いたとき、まるでこの世の終わりみたいな顔をしていた。
当然だろう、ずっと一緒だった親友が自分と同じ人を好きだなんて、しかも先に言われてしまったらもうどうしようもない。

分かっていた。奏人がそういう反応をするとこなんて。
でもこうでもしなきゃ、君を手に入れられない。
君が俺のことを見てくれるなら、なんでもしよう。どんな汚いことだって‥‥。どんなに卑怯なことだって‥‥。





それから俺はちょっとずつだけど君に話し掛けた。
最初はほんの挨拶程度だったけど、なんとか休み時間の10分を君と廊下で話すくらいにまでなった。

俺はこんなに時間が早く感じることは今までなかった。たぶん俺ばっかりしゃべっていた気がする。君はただうなずいて、ときどきクスクス笑う。
そんなちょっとした表情でも俺の心臓は通常より余計に動く。必要以上に血液を体に送ろうとする。

きっと奏人も君と話してるときはこうなるんだろうな。いや、俺以上だな。


そうやって俺が人生初の片思いを経験している中、俺の近くの人がおれの身近な人に片思いしていた。

佐倉優衣。
俺の隣の席でなかなか話しやすく、おもしろい子だ。
彼女はある日、俺に千葉奏人についていろいろ聞いてきた。そのとき冗談混じりで好きなの?と聞いたら、顔を真っ赤にしてうなずいた。

ちょっとお節介かなと思ったけど、彼女に奏人のアドレスを教えといた。


うまく二人がくっついたら、なんて悪魔の囁きが聞こえた気がした。

次の日、悪魔は黒魔術か何かを使ったらしい。
まさかあの二人が本当に付き合うなんて‥‥。

でも悪魔はまた言うんだ。これで舞台は完成した。あとはお前次第だって。


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