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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-30

「き、貴様は竜人!?」
神竜はアルスの姿を見てその存在に気付く。
「また、貴様達はこの私に歯向かうのか!使い魔の分際で」
「あいにく、俺はおまえなんて知らないんでな」
アルスは剣にも炎を纏わすと、炎の翼をはばたかせながらとてつもない速さで突撃した。
「パーディションダーク!!」
すると神竜は闇の聖位呪文で反撃してきた。
しかしアルスは闇の波動を切り裂きながら進む。
そして神竜の頭部に到達し、神竜の頭に乗る。
「終わりだ!!」
アルスは剣を両手で構えた。
"ゾバーーッ"
そして頭部に炎を纏わせた剣を突き刺した。
声も無く倒れる神竜。
"ドーーーーーンッ"
砂埃を巻き上げ、大地を震わし神竜が倒れた。
"ワーーーーーー"
大歓声がこだます。
抱き合ったり泣きだす兵士達、みんなが喜び讃えあう。
「やったなアルス」
倒れているアルスが見上げると互いに肩を貸し合うヴェイルとレーヴェスとウィンだった。
「ふん」
クールに微笑むアルス
「もっと喜べ!!」
するとヴェイルとウィンにもみくちゃにされてしまった。
「そうだ、ルナ、ルナは!?」
アルスは心配しルナの方を見る。
するとルナは封印の光を止めていなかった。
「おいルナ、もういいんだ、はやく止めないとお前の体が」

「まだです」
ルナが叫んだ。
しかし全員が何を言っているのか理解できなかった。
突如 神竜がピクっと動いた気がした次の瞬間。
"ドーーーーーン"
という衝撃波と共に神竜が立ち上がる。
「ば、馬鹿な!」
神竜は生きていた、アルスの攻撃で死んだと思っていた神竜は完全に死んではおらず、息を吹き返したのだ。
「貴様等、皆殺しだ!!」
神竜の口にエネルギーが収束されていく。

「終わりだ」
諦めた表情でつぶやくレーヴェス。
「ま、やるだけのことはやったんだし潔くしようぜ」
ヴェイルも諦めた表情で双剣を収めた。
「仕方・・・ないですよね」
ウィンも、そして全兵士達も。
当然だ。もう戦う力が残っている者など誰一人残されていなかったからだ。
「まだ・・・だ」
しかしボロボロの体で立ち上がろうとする男が一人、アルスだった。
「諦めるな、まだ終わっちゃいない」
立ち上がろうとするも再び倒れるアルス。
戦う力が残されていないことは明白だった。

その時


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