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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-29

「かはっ」
二人の封印の神子が血を吐きながら膝を付く。
「ルナ!!」
それを見たアルスはルナに叫ぶ。
「ぐははははは、封印の神子も限界のようだ。命を削りすぎた、そいつらが死んだ瞬間に貴様等は終わりだ
しかしどうやらゲームオーバーの用だな」
神竜はアルス達を見下ろしながら高らかに笑いを上げる。
「ルナ!」
そしてアルスはルナの元に駆け寄る。
「大丈夫かルナ!」
「わた・・・しは・・・だいじょうぶ・・・・だから、」
力の無い声で強がりを言うルナ、そしてアルスは無力な自分が悔しくてたまらなかった。

「ヴェイル、レーヴェス、ウィン!ルナはもう限界だ、次で決めるぞ」
アルスのその言葉を"何言ってんだ"という顔で聞く。
「次で決めるったって」
そして案の定ヴェイルが言い返す。
「奴の頭だ、確実に殺すには奴の頭を狙うしかない」
アルスの言っていることはみんなが薄々と思っていたことではあった、しかし巨大な神竜の頭を直接攻撃するなど不可能だと、なかなか実行するには至らなかった。
「お前等で何とか神竜を倒してくれ、奴の足にだけ攻撃を集中するんだ」
「足か」
「さっきも言ったがルナはもう限界だ、ルナが倒れれば、もう何をやっても無駄だ。
次のことは考えなくていい、やつを倒してくれれば俺が必ず奴の頭部に剣を突き立てる。」
「わかった。レーヴェス、ウィン、これがラストチャンスだ全魔力を込めろ」
ヴェイルは体に残る全ての魔力を双剣に込めた。
ヴェイルの双剣が輝く。
「わかりました」
レーヴェスも槍に全魔力を込めた。槍が輝く。
「もうどうなっても知りませんよ」
ウィンも杖に全魔力を込め、杖が輝く。

「全弾発射ーーー!!」
更にジェラルド兵やシーラ兵、連合軍も残りの矢や弾丸を一斉に発射する。
"ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン"
"ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドーーン"

次々に神竜の下半身に直撃する
"グアアアアアアアアア"
悲鳴をあげる神竜。
そして矢と弾丸が弾切れを起こしたその時
「フォースディザスター!!」
ウィンが神竜の下半身にに向けて4発同時に上位呪文を放つ。
"スガゴアーーーー"
炎が焼き、氷が凍らせ、雷が貫き、風が刻んだ。
"ギャーーーー"
重低音の悲鳴で叫ぶ神竜。
「後は頼みました」
魔力を使い果たしたウィンは力尽きて倒れる。

「うおーーー!」
「くらえーー!」
そしてヴェイルとレーヴェスがそれぞれ両足に襲い掛かった。
"ゾバッ"
ヴェイルの双剣が神竜の左足に3分の1程食い込み、血が吹き出す。
"ドシュッ"
レーヴェスの槍が神竜の右足半分程突き刺さり、血が吹き出す。
ヴェイルとレーヴェスはその場を離れると力尽きて倒れた。
「グヒャッ」
神竜は鈍い声で叫ぶと両手両膝を付くような形で倒れこむ。
「アルス!今しかない!!」
倒れたままヴェイルが叫ぶ。
「わかってる!!」
そう言うとアルスもまた剣に全魔力を集中させた。
そして体を炎が纏う。


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