Cross Destiny
〜神竜の牙〜C-17
「だが・・・」
しかしセスと戦う者のことを心配して渋るアルス。
「馬鹿野郎!!」
「・・・」
「俺たちの心配をしてる場合か、今はとにかく先に進むべきなんだ。
それに・・・フォルツとはお前が決着を付けなくてどうすんだ!!」
「・・・・・わかった」
アルスはヴェイルの言葉に納得し、先に進もうとした。
「私も・・・私も一緒に」
「ルナ?」
ルナの突然の申し出に戸惑うアルス。
「私も見届けたいんです、最後まで。
アルスもフォルツも二人とも私の・・・・トモダチだから」
少し照れたような、そして淋しそうな表情でルナは言った。
「そうだな、わかった。行こう、一緒に」
アルスはルナの複雑な心境を悟った。
「俺も一緒に行かせてもらうぞ、俺はホーリー城の内部に詳しいからな。」
「ジェイク・・・よし俺とルナとジェイクの三人で突入する」
そしてアルスとルナとジェイクの三人は走りだす。
「ここを通れると思っているのかい?」
セスはホーリー城に向かって走るアルス達を見て刀を構えた。
「アイスエッジ!!」
「!!」
ウィンがアイスエッジを放ち氷の刄がセスに向かって飛ぶ。
しかし上空に飛び、避けるセス。
「斬影閃・狼牙!!」
空中のセスに突撃するレーヴェス。
「ちっ」
しかし身を翻しそれを躱す
「そらよ!!」
そして地面に着地した瞬間のセスにヴェイルが斬りかかかる。
"ガキーン"
だがそれを受けとめる。
三人の連続攻撃をすべて受け流したセス。
「君達・・・」
しかしその間にアルス達は既に、追い掛けるには至らない場まで突破していた。
「三人の突破を許してしまったか・・・だが」
セスは不敵に微笑む。
「オラー!!」
剣を無造作に振り回しながら残存兵を切り裂くジェイク。
次第にジェラルド城に近づくアルス達。
「さあ、あと少しだ」
ジェイクがそう意気込んだその時。
黒い光がジェイクの胸を貫く。
「が・・・・・は」
血を吹き出しながら倒れこむジェイク。
「ジェイク!!」
倒れこんだジェイクに叫ぶアルスだったがその傷は心臓に達していることに気付いた。
「今、回復します」
ルナが回復呪文をしようとジェイクに手をかざすがジェイクは手を振り払った。
「いや・・・・いい。こりゃ・・・例え・・・・回復の聖位・・・・呪文でも・・・・・無駄・・・だ」
ジェイクも自分の傷が致命傷であることに気付いていた。
そしてアルスは黒い光を放ってきた方向を睨み、叫ぶ。
「フォルツ貴様!!」
「なんだ?初めて見る顔だな」
しかし全く動じていない態度にアルスは怒りを爆発させた。
「こいつは、こいつはなあ。死んだお前の母親を最後まで守ろうとしてくれた人なんだ!!」
「・・・」
それを聞いて少し動揺を見せたフォルツ。
「そんなこと・・・今は関係無い」
しかしすぐに冷静を取り戻す。
「フォルツ・・・なんで?なんで私たちに相談してくれなかったの?私はともかく、アルスとあなたは」
叫びながらルナが涙を浮かべる。