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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-12

「アルス無事だったんですね」
ルナは涙を浮かべながら言う。
それを見てアルスは気恥ずかしそうにした。
「でもなんで?」
そしてアルスは今までの経緯を語った。
なぜ自分が助かったのか、今までどこにいたのか、何をしていたのか。
その途中であることに気付いた。
「なあ、フォルツはどこにいるんだ?」
アルスはジェラルド軍にフォルツの姿が無いことに気付いた。
「・・・・」
しかしルナもウィンも何も言わない。
「おい、一体あいつはどうしたっていうんだ?」
アルスは二人の異様な態度に気付いた。
「確かなことでは無いがあいつは恐らく」
沈黙を破るようにレーヴェスが口を開く。
「夜より黒き闇の賢者 我に仇なす者を奈落の底へと導びかん そなた永久の暗闇の中 一時の安らぎを得るがいい!
パーディションダーク!!」
すると聞いたことの無い詠唱と共にホーリー軍側から極大の黒い波動が飛んできた。
その威力は先程のナインテイルの呪文の比ではなかった。
恐ろしい程の数のジェラルド兵がその黒き光に飲み込まれ消滅する。
そしてその黒き光が飛んできた方向を見て、アルスは訳が解らず頭の中が真っ白になった。
「フォルツ!?」

撤退場所の荒野
休息するため一時的に張ったテントの中沈黙が続いていた。
「アルス何か飲むか?」
沈黙を破り、病み上がりのヴェイルがアルスに尋ねる。
「いや、いい」
アルスはすぐにそう言うと黙ってテントの外に出ていった。
「・・・アルスさん」
ウィンは心配そうに呟く。「そっとしといてやれ」
それを聞いたレーヴェスはそう言うとすぐにベッドに横になった。
外は日が沈みかけ、照らしてる夕日がやけに赤かった。
また辺りには軍用のテントが無数に張ってある。中ではジェラルド兵達が体を休めている。

そしてアルスはそのまま人気の無い川辺まで歩いていった。
そこで腰を下ろし空を見上げる。

二日前

《「フォルツ!!」
アルスは驚きと混乱が混じった声で叫ぶ

「なんで・・・なんでおまえがそっちにいるんだよ!?」
再び叫ぶアルスを冷静な瞳で見つめるフォルツ
「アルス・・・俺は神竜を蘇らせジェラルドを倒す」「正気か?一体どうしたっていうんだ!?なにがあったんだ!?」
「何もない、ただ物事の優先順位に気付いただけだ」
「ふざ・・けるなよ!!そんな理由で神竜を復活させるっていうのか!」
「俺にとっては『そんな理由』じゃない。それにずっと迷っていた、このままジェラルド軍として戦っても、ジェラルドが戦争に勝利しても何も変わらない。歴史は、悲劇はいつまでも繰り返される。」
「それと神竜を復活させるのと何の関係がある!?」
「神竜を復活させジェラルドを滅ぼす。そして神竜をの力を所持するホーリーが世界の主導者となれば二度と戦争を起こさせることはない。ジェラルドには神竜の力を世界に植え付けるための犠牲になってもらう
父はそう言いながら結局は支配しか考えていなかっただから死んでもらった。だから」
「おまえが粛正しようというのか!何千何万の命を犠牲にして。神にでもなったつもりかフォルツ!寝言を言うなーーー!!」
「ならおまえならどうする?何も出来ないはずだ。ただ繰り返される。戦争という同じ悲劇を歯軋りしながら見ていることしかな!誰かがそれを止めてやらなくてはならない。」
「くっ」
その言葉にアルスは何も言い返すことが出来なかった。


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