『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-73
「んっ……」
じゅ、と何かが丘の内側で滲む。夢想の中で野球に興奮した体は、別の因子を加えたことで、性的な衝動でいっぱいになっていた。
「あ、ふ……く……」
恥丘の間にある溝を、丸い物体を使い上下に刺激する。じわ、じわ、と滲んでくる様に内側から広がってくる心地よさは、すぐに桜子を夢中にさせた。
「ん……はぁ……あ、あ……」
艶かしい呼吸が、部屋の中に響く。勉強のために高まっていた理性と集中力は、それらが全て劣情の中に押し込められ、そのために抑制されていた“本能”が、堰を切ったように溢れ出していた。
くちゅ、ちゅくっ……
「んっ……」
シャーペンの丸い頭が、光沢を帯び始めている。桜子の溝から染み出てきた潤いが薄桃色のショーツを濡らし、その部分を上下しているプラスチックの球体にまで滲ませたのだろう。
「………」
シャーペンを溝から離し、光沢の具合を確かめる。粘り気が見えてきそうな、その淫靡な輝きは、桜子の劣情が更なる高ぶりを見せている証でもあった。
「あ、くっ……」
今度は右手の中指をダイレクトに溝へ押し当てる。
(グチュグチュになってる……)
思ったよりもショーツの濡れた範囲は大きく、ほとんど粘膜を直接弄っているのと変わらない感触が桜子の指に乗った。
(あたし、いやらしい……ん、んんっ……)
それでも止まらない指。完全に桜子の性のスイッチは、“ON”の表示が点灯している。
くちゅ、くちゅ、ちゅぷっ、むにゅ、むにゅ……
「は、あはぁ……あ、ん、んっ……」
中指で溝を擦りながら、ひとさし指と薬指で外陰唇の柔らかいところを弄ぶ。熱く火照っているその部分を撫でるだけでも、愉悦が太股の内側に散らばって、桜子の更なる昂ぶりに一役かった。
(勉強しなきゃいけないのに、こんなことして……あ、あ、あっ……)
視界に入る、途中で止まったテキスト。だが、一度昂ぶりを覚えた彼女の意識は、次第に指先ばかりに集中するようになり、いつしかその行為に没頭し始めていた。
「あ、ん、んんっ!」
指を強く、溝の中心に押し付ける。そして、中指を鈎爪のようにして性感帯を責め、桜子は貪欲に性を愉しんでいた。
「はぁ……はぁ……」
布越しに弄っていた指を、今度はショーツの中に忍ばせて、直に陰部を慰撫する。
「くっ、あ、あぅっ!」
粘膜の柔らかさを、ダイレクトに指先で感じた瞬間、剥き出しになった強烈な愉悦が桜子の太股を震わせた。
ぎしっ、ぎしっ、ぎしっ……
「は、あふっ……くっ、んくっ……」
指を蠢かすたびに太股が揺れ、椅子のスプリングを鳴らす。もぞもぞと太股や尻を動かすことで、指だけではない圧迫を粘膜に与え、桜子は夢中になって自慰に耽る。
(草薙君……草薙、くん……)
じゅわ……
「あっ、あっ、あぁぁ!」
大和のことを想うと、たちまちにして蜜が溢れ、その指をしとどに濡らした。