『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-45
『りゅ、龍介さん……わ、わたくし、また……イ、イキそうです……』
隣では、由梨がまたしても限界を超えようとしている。
「あっ、あっ、あっ……」
それに届くように、桜子も指の回転率を更に速め、淫靡に責められる姉の姿に自分を投影し、悦楽をむさぼった。
(く、草薙君……草薙くん……)
その中で、自分に覆い被さり、激しい腰使いで自分を責めているのは草薙大和の影である。
(あ、あたし……あたし……)
“そんなんじゃないよう!”と必死に否定してきた自分を、更に否定するかのように桜子は、自らが生み出した大和の影に犯されていた。その異常な浅ましさを、今の桜子は享受してさえいる。
ぐっちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅ!
「あ、あはぁう!!」
一心不乱に指を蠢かし、クライマックスへとひた走る。何かが身体の中で弾け飛びそうになる感触を、桜子はその身で感じ取った。
イクっ、も、もうダメッ! ああぁああぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
先に、隣の由梨が果てを越えた。
「あ、あたしも………んくぅっ!」
びくん、びくっ、びくっ…
それに続けとばかりに、桜子もまた、大きな震えに身体中の感覚を浚われた瞬間、
ぴちゅっ、ぴしゅっ、ぴしゅっ…
己の指に、淫裂から吹き出てきた熱い淫液のほとばしりを感じ取った。
(あ、ああ………)
“潮吹き”は、何度もあることだ。それだけ、桜子の感度は熟成しきっているということでもある。
(………)
先に桜子は愛液の量が多いといったが、潮の吹き方もそれに倣うように豪快だ。
「やっちゃった……」
吹き上がった淫液は、ほとんど失禁にも等しいものとなり、それはショーツに染みを作るだけには留まらず、寝巻きのズボンの股間部分にも立派な地図を描いていた。
(あ、あたし……)
ほとんど“粗相”をしたのと同じ格好となり、下着を替え、寝巻きも替えた桜子には、現実に戻ると、猛烈な恥ずかしさが込み上げてくる。自慰をした後にいつも感じるその羞恥は、今日は更に度合いが強い。
(草薙君のことを考えて……しちゃった……)
まだ“友達”としても付き合いの浅い男子のはずだ。それなのに、浅ましい。どうしようもないぐらい淫乱な自分がいるようで、それが恥ずかしかった。
だが同時に、桜子が持っている“女の部分”が、草薙大和を切に求め始めている事実があることも、今の彼女には否定できる自信がない。
(うぅん……)
珍しくも、切り替えが上手くいかない気持ちを持て余しながら、桜子の夜は長く続いた。その間、またしても淫欲が湧いて、二度目の手淫にふけってしまったことも、ここに付け足しておこう。
「大和」
アパートの一室で響いた電話のベル。休みが不定の中、珍しくも土曜と休日が重なったこともあって、朝から忙しく家事に勤しんでいた草薙和恵はその受話器を取ると、相手が求めてきた大和の部屋に向かい、彼を呼んだ。
「母さん、なに?」
ふすま一枚を隔てるだけの、狭い居住空間ではあるが、二人で住む分には充分だ。それに、この母子の仲は一般のものよりも深い信頼関係が築かれているから、ややプライベートに薄い部分があっても、それを気にすることはあまりない。