『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-281
ぐちゅっ!
「ヒ、ヒィッ!」
真下から深々と勢い良く貫かれた桜子は、瞬間の強烈な刺激に目を剥いた。
「いくよ……!」
ベッドのスプリングを利用した強烈なグラインドが始まった。大和は、このために“座位”の姿勢に体位を変えたのである。
「あっ! やっ! ああっ! あうっ! ああぁあぁぁあぁあぁぁぁ!!!」
ギシッ、ギシッ、ギシッ…
と、スプリングの軋む音に律動を併せて、桜子がリズミカルに喘ぐ。
「あ、あぅっ! き、きついよっ! あっ、ああぁぁぁっ!!」
“正常位”から“座位”に移れば、つながりの部分は、桜子自身の自重を加えることで激しいピストン運動が可能になる。杵と臼が突きあうような、と言えば情景も浮かびやすいだろうか。
「や、やぁっ! ち、ちがうとこにっ……! いつもと、ちがうとこにも……あ、あたってくるぅっ……!!」
しかも、連結の角度も変わってくるので、新しい刺激が彼女の中には起こっている。
「あぁあぁっ! んっ! んぅっ! あぅっ! あんっ!」
大和のピストン攻撃の前に、桜子はもう前後不覚の様子である。突き上げられる中で、ねじるように腰を振り、大和の体を両腕と太股で締め上げている。さながら、獲物に巻きついて窒息させようとしているニシキヘビのようだ。
「………」
ヘビに例えてしまったが、快楽に悶える彼女の表情には、淫猥な美しさがあった。その美しさが、今度は心にも巻きついて、離れようとしなかった。
(最高だよ……)
キスの最中に腹の虫を鳴らして恥ずかしがり、初めて入ったラブホテルで身を竦ませながら、アダルトな画面のチャンネルを開いて見ている…。そんな出来事の数々が、豊かな感情を与えてくれる。
そんな桜子が、いま見せているのは、“性に濡れる女の顔”だ。普段とのギャップが大和の心を鷲掴みにして、激しい昂ぶりを全身にもたらした。
ぱちぃん!
「ひっ! お、おしり……!」
ぱちぃん! ぱちぃん!!
「やっ、だめっ! お、おしり、たたいちゃっ……!」
ぱちぃん! ぱちぃん!! ぱちぃん!!!
「ひんっ、ひあっ、ああぁあぁっ!」
座位になっているから、彼女の臀部にスパンキングを加えることも出来る。しかも、その四肢できつく体にしがみついているから、片手を離しても体勢が崩れない。だから自由に、彼女の瑞々しいケツを叩くことが出来るのだ。
「だ、だめ……! お……おしりは……だめ……! もっ……と……たた……いて……!」
抗いの言葉と混ざり合った、催促の声…。
「………」
ぱちぃぃぃん!!
「ひぃあぁぁぁっ!!」
昂ぶりが最高の位置にまで達すると、尻を叩かれる行為にさえ、彼女は甘い表情を見せる。強烈なスナップを利かせた一撃をヒップに与えた時も、彼女は恍惚としていた。
きゅっ、きゅぅっ…
「くっ……」
瞬間、独特の締め付けが胎内で起こる。それがスパンキングと連動しているのに気がついたのは、セックスの最中にその行為が混ざるようになった、最近の話(※第5話参照)である。
もちろん、スパンキングは痛みを伴う。彼女を悦ばせるためとはいえ、痛めつけることを本意としない大和は、最後にもう一度だけ“ぴしゃり”と撫でるような一撃を与え、今回は終わりにしておいた。
(もっと……たたいて……いいのに……)
と、言いたげな表情を彼女は垣間見せたのだが、大和はそれを見逃していた。
その代わり、というわけでもないのだが、少しだけ緩めていた腰の律動に、彼は更なる激しさを加える。