『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-156
「京子……」
「き、きもちいいの……ア、アソコすりすりされて……あたい、濡れてきちゃった……」
バイクに乗っている時は、汗が滲んで張り付いてきたような不快感しかないが、不思議なもので、恋しい人の指使いで濡れることには、心地よさがある。
同じ体の反応は、心の違いで大きな差異になるということだ。
「幸次郎のも……すっごい“もっこり”してる……」
「も……」
見れば夫の股間が、凄まじいまでの張りを見せていた。“テント”というよりは“富士山”といったほうがいいだろう。
「服、脱ごうよ……」
「ああ」
愛撫だけでは、物足りない昂ぶりに支配された二人。もどかしいように互いの衣服を剥ぎ取り合って、裸になるやもつれあうようにして再びベッドの上で悶えあった。
「京子、行くぞ……」
「来て……来て、幸次郎……」
裸になってからもしばらくは愛撫を楽しんで、互いの性器を濡らしあっていたが、それにもたまらなくなった幸次郎は、京子が開いた脚の間に身を入れて、超ド級に勃起している己自身の先端を、収めるべき粘膜の入り口に軽く押し当てた。
「あ、ふ……」
その熱さに息を呑む京子。胎内に彼を迎え入れるのは、実に久しぶりとなる。
ぬる、ぬると亀頭に愛蜜を塗りつけ、摩擦を少しだけ和らげてから、幸次郎は膣口にしっかりと照準を定めた陰茎を、そのままゆっくりとうずめていった。
「ひ、あ、んんっ――――………」
ぎゅう、といきなり締まりを見せる京子の膣内粘膜。そんな抵抗も構わずに、幸次郎は腰を押し進め、彼もまた久しぶりとなる妻の胎内を自らの急所で深く味わっていた。
「あ、き、来てる……奥まで、きてる……ッッ」
ずぶ、ずぶ、ずぶ……
「か、固くて……熱い! 幸次郎の、すごく熱い!! ん、んくあぁあぁっ!!!」
粘膜を押し広げるように、夫が中に入ってくる。極太イボつきバイブではとても味わえない弾力性のある固さと熱気が胎内に満ちて、それだけで京子は軽いエクスタシーを感じてしまった。
「あ、ああ……京子ぉ……す、すばらしいぞ……」
感嘆の吐息は、揺ぎ無い自負を持っている幸次郎には珍しいことだ。小難しい理屈を放り出し、己の感覚に溺れているその姿だが、普段の彼からは想像がつかない。
はぁ、はぁ、はぁ……
繋がったばかりだというのに、張り詰めて噴き出しそうになるものを抑えるのに二人は必死であった。
「あ、ああっ……あぁ……」
京子に至っては、軽く達してしまっているから、もしもその状態のまま激しい摩擦が起これば、たちまちにして性の爆発が体の中に起こってしまうだろう。
(ま、まだ……イキたくない……イキたくないのッ!)
幸次郎の熱さを、より長く堪能していたい。京子は必死に呼吸を整え、軽く痙攣さえ起こしている体を懸命に宥めていた。
(く、くぅ……ぬおぉぉ……)
必死に堪えているのは幸次郎も同様だ。男の場合は、性の高みに達した時が最高頂点で、後は一気に冷めていく。それも、遠征によって射精を長く止められていたから、その最初の噴出はこのうえない快楽をもたらすだろう。だが、京子の胎内を愉しむこともなく、彼女の性を悦ばせることもなくそれがあっさりと成されてしまったのでは、あまりにも淡白すぎる。
「あ、あっ、ダ、ダメ……」
体を強張らせ、必死に何かを堪えていた京子だったが…。
「ど、どうしよう……こ、幸次郎、あ、あたい、どうしよっ……あ、あっ、あっ」
「どうしたのだ?」
びくびく、と幸次郎に巻きつく京子の細い太股が震え出している。
イキそうなのっ……ま、まだ、いや……まだ……いやなのに……」
「京子……」
華奢な指先が伸びて、幸次郎の腕を掴み締める。ぐ、と彼女の強い握力が腕を締め付けてくるが、それが中でせめぎあっているものの強さを幸次郎に伝え、その健気な仕草に彼は愛しさを募らせた。