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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-142

 桜子の中から跳ねるようにして濡れきった亀頭が顔を出すと、その鈴口から白濁した精が迸り出る。
「―――……!」
 体の精力が吸い出されていくような凄まじい、これまでにも経験のない射精感に大和は意識の全てを奪われ、身を強張らせていた。
「あ、あっ、あっ……」
 びくん、びくん、と何度も痙攣を繰り返す桜子。
「はぁ、はぁ、はぁ……く、う……」
 名残りを全て吐き出すように、精を噴く大和。
「あ、はぁ……」

 どさり…

 と、糸が切れたように弛緩しきった桜子の体が圧し掛かってきた。豊かな胸を上下させ、あらぶる呼吸を治めようと、必死の様子である。
「………」
 男の立ち直りは、早い。オルガズムに達してしまえば、意識は一気に現実に戻る。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 かたや、女のそれは回復に時間がかかる。夢現をさまようように、虚ろな視線で天井を見ている桜子であった。
「……大丈夫?」
 そんな呼吸が落ち着きを見せるまで待ち、大和は桜子に問い掛けた。
「う、うん……」
 ようやく平静になったらしい。
 大和は体をずらし、自分に重なっていた桜子の肢体をベッドに横にさせると、頬を軽く撫でてあげた。
「ちょっと、無理をさせたかな……ごめん」
「そ、そんなことないよ……気持ち、よかったから……」
 かぁ、とその頬が一気に紅くなった。情痴に狂った自分を自覚しているのだろう。
「恥ずかしい、あたし……変な声、いっぱい出しちゃったし……その……」
 ちら、と半開きになっている股間に視線を移す。
「おつゆも、いっぱい出ちゃって……大和くんにも、かけちゃって……」
「大丈夫だよ」
 桜子の中に収まっていた陰茎は、潮を浴びたその周辺とあわせて、煌く光沢を至るところに散らせている。もちろん、それを降りかけられた大和には不快感など一切無い。
「風邪をひくといけないから……シャワーを浴びよう」
 お互いに、色々な体液で濡れてしまっている。春から夏に移行していく季節の中、気温はどんどん高くなっているが、汗に濡れた体をそのままにしておいては体を冷やしてしまい、体調を崩す原因にもなるだろう。
「そう、だね……あっ」
 先んじて身を起こした大和に、桜子はいとも簡単に抱え上げられた。
(す、すごく、力持ち……)
 細身ではあるが、鋼のように強靭な筋肉を持っていることは、その裸を見ればよくわかる。大柄な体格の桜子を、いとも簡単に持ち上げるくらいの力を持っていて当然なほどに、その筋骨は引き締まっていた。
「せっかくだから、一緒に……」
「え、あ……うん……」
 “一緒に”と言われて浮かんだかすかな躊躇いは、しかし、大和の腕の中に収まってしまうと綺麗に消え去っていた…。


 キィン!

「うわッ、また行った!」
 右中間に鮮やかな曲線を描いて飛ぶ軟式ボール。それは勢いを得たようにグングンと伸び、グラウンドを囲うフェンスを越えて飛んでいった。
 それを確認した審判の腕がぐるりと回転する。ホームランを示す、ジェスチャーである。
「ナイスだ! 桜子!」
 セカンドベース上の雄太が握りこぶしを何度も振りながら塁を廻り、ホームまでたどり着く。次いで、やはり出塁していた大和もホームに還り、二人はそのまま殊勲の一打を放った5番打者の桜子を待った。
「ホームイン」
 桜子がホームを踏み、審判の指差しによってそれを認められると、双葉大学のベンチがどっと沸き、喜色満面の桜子とそれぞれハイタッチを交わしあう。そんな光景を横目に見ながら係員は、新たに加わった3点をホワイトボードに書き添えた。


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