『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-13
『あ、ああっ! い、いいっ! とっても、あ、ああぁぁ!!』
「………」
あまりにも、明確であった。
(くあ……しまった……)
ばふっ、と掛け布団を頭までかぶるがもう遅い。一度捉えてしまった“あの声”は、まるで耳の奥にへばりついたように鼓膜を震わせ、淫靡な調べで身体の至るところにしみこんできた。
『ん、んっ…だ、だめっ……じらさないで……ひ、ひあぁぁ!!』
しかも、姉の喘ぎは遠慮がない。壁が薄いというのは誰より知っているだろうに、獣のように悶えて喘ぐのだ。まるで、訊かれていることを望んでいるかのように…。
『ひっ、ひぃぃぃぃぃ!!』
きっと、望んでいるに違いない。貞淑な顔の下に隠れた、性へのあくなき関心は、きっと誰より深いものがあると、妹の桜子は知っている。
(………ごくっ)
桜子の脳内に、龍介と濃厚にまぐわって歓喜の声をあげて悶える姉・由梨の姿が揺らめいて躍った。
(………)
いつのまにか桜子は、壁にぴっとりと張り付くようにしてその耳を押し付け、かすかな吐息さえも聞き逃すまいと、聴覚神経を研ぎ澄ませている。
『はぁっ! あんっ! んっ、んっ、んんんんん!』
その耳に届けるかのように、姉の喘ぎ声はいよいよはっきりとした輪郭を持って、桜子の官能を刺激してきたのであった。
龍介と由梨のまぐわいは、既に互いの性器を結合させる“本番”に入っていた。
「あ、ああっ、は、激しいですっ、だめぇ!」
ぶちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ……
「ん、んんっ、く、くぅあぁぁ!!」
挿入したときから龍介の腰使いは荒々しく、興奮に硬直しきったその怒張は、劣情に熟れて柔らかくなっている由梨の膣内を蹂躙している。
ぐちゅるっ…
「ん、んくっ!」
亀頭が抜ける寸前まで引き離した腰を…
ぐちゅぅ!
「ひぃぃぃぃ!!」
龍介は思い切り由梨の胎内へと押し込んだ。
「た、たまらん……由梨、最高や……」
ぐちゅ、ぐちゅ、と浅い前後運動で余韻を愉しむ龍介。何度も何度でも何度となく妻とは体を重ねてきたというのに、その日によって姿を変えるのではないかと思うほど由梨の膣内は新鮮な摩擦で自分を悦ばせてくれる。
「あ、はぁ……あ、ああっ……」
最初の激しい行為がなりを潜め、余裕を与えられた由梨は早速とばかりに呼吸を整え始めた。しかし、一度蹂躙された官能が静まるはずはなく、彼女の意志を伝えるように中の粘膜がうねっている。
そのうねりを直に感じている龍介は、すぐにその虜になった。