『STRIKE!!』(全９話)-267
「亮……」
「好きだから」
「んっ……」
そのまま、唇も塞いでしまう。晶の中を巣食う負の感情を吸い取るように、亮はその唇を少しだけきつめにあまがみし、晶の呼吸を奪い取った。
「ンッ……ンンッ……」
恥ずかしさと情けなさに揺れた心は、しかし、粗相を間近で浴びたにも関わらず愛情を注いでくれた亮の優しさに触れて、穏やかさを取り戻していく。
（………）
実は、晶の温かい粗相を振りかけられ、その道の刺激に触れてしまったことに、亮は少しばかり興奮していた。だからそのまま、間を置かないで第２ラウンドに突入する。
「あ、あんっ、あっ、あっ……」
放出したまま挿入されている自己を再び前後すると、晶の唇は新しく官能を歌い始めてくれた。その声に導かれるまま、亮は二度目の放出が起こるまで、晶の胎内を存分に愛し、愉しんだのだった。
バスルームで二度も行為に及びながら、まだまだ二人の興奮は収まらない。大量の樹液を浴びてどろどろになっていた股間を丹念に洗ったあと、二人は裸身のまま今度はベッドの上で睦みあった。
湯冷めして風邪をひかないように、空調はしっかりと調整されている。やや乾燥した空気が喉の渇きを覚えさせるが、そんなことは気にもしないで、二人は互いの唇を貪りあっていた。
「ん、ちゅ……ん、ん……」
唇だけではない。うねるように舌も絡ませて、更に高いところまで二人は昇ろうとしている。いわゆる“おあずけ期間”を経た直後の情交は、いつも果てしないほど性に貪欲になる…。
「んぷ……ちゅぅ……ん、むぅ……」
唾液が唇の端からこぼれてしまうほど、激しい接吻。温かく柔らかく、そして、瑞々しい唇との接合は、たまらない愛しさを二人の胸に溢れさせ、それによって更に性情の昂ぶりを促進させていった。
「はぁ、ふ……」
呼吸を求めて、唇を離す。それでも二人をつないでいる、銀糸のきらめき。
真っ赤に火照り、虚ろな視線の晶を見ていると、魅惑されてしまったように亮は自己のたぎりを抑えることができなくなった。
「わ、わぁ……」
何かを見つけたような、晶の感嘆。
「さっき、いっぱい出したのにね……」
亮の腰に生えている雄々しき大樹は、二度の放出を経てもなお、その自己主張をやめようとしない。
「あ、晶……くっ……」
その大樹を優しく包み込んだ、両の指。小さな動物を労わるかのように優しく上下し、その屹立を愉しんでいる。
「びくびくしてる……」
真っ赤に腫れた先端を、今度は親指の腹がひと擦り。
「ひょっ」
その刺激を妙な声で歌ってしまった。
「可愛い声…。気持ち、いいの？」
「き、訊かないでくれ……」
「うふふ……」
晶はそのまま、竿を撫でさする。亀頭がびくびくと震えだし、なにか、透明なものが滲み出るようにその先からこぼれてきた。
「………」
ずりっ……
「く、ぅっ」
「ふふっ」
その液体を塗りこめるように、晶の指が亀頭を撫で回す。小出しに快楽を告ぐ亮の様子が可笑しくて、晶はさらに竿をしごく手の動きを強めた。
「わっ……」
「熱い……それに……ぴくん、ぴくんって……可愛いなぁ……」
うっとりとして、ねっとりとした視線を亀頭に注ぐ晶。
「………」