『STRIKE!!』(全9話)-195
ちゅるるるる……
「おーおー。上手そうに、飲んでいくじゃねえか。このスキモノめ!」
「う、ううぅぅ……」
無情な逆流が、玲子の直腸に込み上げてくる。間が空いているから、中で凝り固まっているモノがその逆流を迎え入れれば、すぐにでも溶解して下ってくるに違いない。
「いやっ! いやあぁぁぁ!!」
背を捩り、抵抗をする玲子。しかし手馴れたように男は、使い捨てのものに比べるとやや大きく、また良質のゴムを使っていると思しき無花果状の浣腸を握りつぶし、中身の全てを玲子の中に注ぎいれた。
違和感が抜ける。すぐに玲子は緩んでいた部分を締めて、液の吹き零れを防いだ。
「あ、ああ……!?」
ぎゅ、ぐる……
と、あっという間に下腹がうねりを始める。効き目が早い、早すぎる。
「原液だぜ」
「う、うそ!?」
この男は医療関係者なのか? グリセリンの原液など、何処でも手に入るものではないだろうに。
「あ、あ、あ……」
ぐる、ぐる、ぎゅるぅぅぅぅぅ…
(こ、こんなの……)
直樹に処方してもらったものとは明らかに程度が違うその強烈な刺激に、玲子の下腹は早くも本格的な痛みにかわってきた。
「い、いた……おなか、いたい……」
直腸を中心におこる蠕動は、確実に腹部全体に広がって、玲子の本能は久方ぶりの排泄欲を発動させている。それは痛覚というエマージェンシーによって玲子の理性に働きかけ、その苦しみを生み出すモノの排出を強く促してきた。
「で、でちゃうわ……」
「いいぜ。出したきゃ出しちまえ。我慢しろ、なんて無粋なことはいわねえよ」
男がせせら笑っている。だが、それに反論できるほどの余裕は、玲子の中からは失われていた。
「あ、あく……ん、んあぁぁ……」
きゅ、きゅ、と蕾の口が蠢く。おそらくその寸前まで汚物は迫っているのだろう。それを必死に堪えるように、玲子は腰を揺すっていた。
「おーおー。男にもそんなふうにケツ振って、糞穴にブチこんでもらったのか?」
「そ、そん、なこ、と……」
ぴたぴた、と頬にナイフ。玲子はもう、なにも抗えない。
「そう、です……」
「ははっ! 最低の変態スカ糞女!」
男の哄笑が響く。玲子はその耐えがたい屈辱に、涙を浮かべた。
「あ、ああっ!」
腰に何か重みが乗った。どうやら、男に足蹴にされているらしい。
「の、乗らないで! ダメッ!」
その圧力で、玲子の腸栓が圧壊してしまいそうになった。
「でる……でそうなの、ダメッ……」
「だから、かまわねえって……」
「う、ううぅぅぅぅ!!」
ぐるっ、ぐるぎゅるぎゅるるるる―――。
脚を捻られて、玲子の腹が大きく鳴った。ありとあらゆる溶解物が、一気呵成に一点に集中してくる。
「ダ、ダメッ! 見、見ない―――――」
ブピッ…
と、後の言葉は尻が語った。