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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-154

「亮……」
 優しく、そして強く抱きしめられる。普段とは違う彼の積極さに晶は戸惑うが、すぐに喜びに胸が溢れ、腕の中に身を預けた。ガーリックの香りが鼻につくのは仕方ないが、その中にでもしっかりと亮の甘さは感じられる。
 それは、少しずつ晶の官能を刺激し、心の準備をさせるのだ。亮の熱情を受け止めるための…。
「あ……ん……」
 頬に手を添えられ、顎を上向きにされるとそのまま唇を塞がれた。ガーリックの香りが口内に広がってむせそうになる。しかし、嫌気は無い。それどころか、ますます高まっていく体内温度に、晶の体が熱くなってゆく。
「ん……む……んふ……」
 望みながら昨晩はされなかった行為。それ故に、4日ぶりとなった唇の感触。こんなにも、柔らかくて、愛しくて、熱いものだったかと思うくらい久しぶりのような気がする。
(間を空けるのも……)
 悪くない気がする。お預けをされればされるほど、それを与えられた瞬間には凄まじい愉悦がはじけるのだから。
「あ、あむ……ん……ん……」
 唇の愛撫が止まらない。深く合わさった粘膜が茹るように、熱く絡んでくる。
(やっぱり……)
 間を空けたくない気がした。
 亮と触れ合うことが、まだ唇だけとはいえ晶にとってはたまらない幸福なのだ。それこそ、常に触れ合っていたいほど、晶は亮に惚れ抜いている。
「んっ」
 軽く喉が鳴った。舌にうねるような何かが乗ったからだ。詮索するまでも無く、それが舌だと察した晶はすかさずそれを絡めとって、望むままにむさぼった。
「んふ……ちゅっ……んぬっ……んんっ……」
 思わぬ逆襲にうろたえた亮の舌を逃さずに、愛撫する。湧き出してくる唾液を吸い出すように、亮の口内を蹂躙してゆく。
「ん……はっ……」
 その攻撃に耐えかねたか、亮の唇が遠く離れてしまった。名残りを惜しむように銀糸が間に、つ、と橋をかける。
「ん、んっ……」
 その橋が消える間もなく、亮は晶の首筋に狙いを変えた。
「あ、ひゃっ……」
 唇で優しくかぶりつくと、晶がくすぐったそうに身を捩った。それに構わず、亮はその首筋を嘗め回すように舌で上下する。バンパイアが、見初めた美女の噛み付くべき血管を探るように、前歯と舌をその部分に這わせた。
「あ、く、くすぐったい……よ……」
 背筋を走る痺れは、肌の敏感なところをくすぐられたときに感じるものだ。あまり悦楽を含んでいるものではないが、それでも舐められるたびに身体はしっかりと反応してしまう。
「あ、なに……」
 不意に亮が晶の身体を反転させた。向かい合っていた体勢が逆となり、晶は背中から亮に抱きつかれた格好となる。いつも晶が行為を求めるときに好んでする抱擁の形態だ。
「あ、はうっ!」
 うなじに、キスをされた。いつもなら背中の辺りでまとめていただけの長い髪を、今の晶はポニーテールで束ねていたから、うなじが無防備になっている。
「ん、は、あっ……」
 そこを責められた瞬間、首筋を舐められたときとは完全に違う何かが体内を駆け巡った。
「あ、あんっ……あ、は……はうっ……」
 つつつ、とうなじを這い回る亮の舌。さざめきが肌を伝い、脊髄に流れ込んで強烈な愉悦と化して全身に散らばってゆく。
「あ、あぅあっ!」
 そのうなじへの刺激に勝る快楽がほとばしった。亮の両手が、エプロン越しに胸を揉んだからだ。
 たったのひと揉みなのに、それだけで晶は腰が抜けそうになった。



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