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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-103

「それとな、今回は試合まで、俺もひとりで寝ることにするわ」
「OH,THAT’S TOO BAD!!」
 さすがにエレナが非難の声をあげる。せめて、何もしないまでも、体を寄せ合うぐらいは許してくれると思っていたらしい。
「まあ、いまさらと思われるかもしれないけど……。頼む、な?」
「……わかりました」
 いつにない長見の真摯な顔つきに、エレナも同意せざるを得ない。
「でも、次の試合で勝ったら、いっぱい、いっぱい愛してくださいよ」
「あ、ああ。エレナがして欲しいこと、なんだってしてやるから」
「REALLY? SO……PROMISE ME」
 半分泣いた顔で、エレナが小指を差し出してきた。何も言わず長見は、同じ動作を返してあげた。
 ぎゅ、と握られたその部分から、エレナの寂しさが伝わってくるようで、少し胸が痛い。……ついでに、指も痛い。
「エレナ……い、痛いんだけど……」
「KISS ME……そうしたら、はなしてあげます」
「お、おうい」
「それぐらい、許してください……」
 ぽろ、と雫がこぼれた。こうなると、長見は勝てない。
「………」
 顔を寄せて、エレナの唇を覆った。少しだけ、長めのキスにしたのは、エレナの気持ちが落ち着く時間を与えるためである。
「……SORRY、わがままを言ってしまいました」
 その甲斐があったのか…エレナが自ら唇を離し、指も離し、俯きがちに言った。それまでの自分の醜態を恥じ入っているのかもしれない。
「……いや、勝手を言ってるのは、俺の方だから」
 そんなエレナを、もう一度だけ抱きしめてから、長見は自分の部屋に戻っていった。
「………」
 広い部屋に残されたエレナは、猛烈な寂しさに包まれた。なにしろ、元々が広すぎるファミリールームなのである。今までは、長見と一緒に住んでいたから、それと感じなかった空虚な空間が、彼のいない今、まるで圧し掛かるように一斉に押し寄せてくる。
 エレナは、ベッドの側に寄った。そのまま縁の部分に手をかけたかと思うと、なにかをカチリと操作して、引き出しのような部分をスライドした。
 そこには、びっしりと“大人の玩具”が詰まっている。長見というかけがえのない存在を手に入れるまで、エレナの寂しさを埋めてくれた“夜のお友達”である。
 さしものエレナも、これは長見に公開していなかった。彼のことを好きになり、愛するようになればなるほど、この淫猥な道具の数々を見られることが怖くなってきたのだ。
「………」
 エレナは、その中から男性器を模したシリコン製の棒を取り出した。一般に、ディルドーと呼ばれるものである。モーターがついていないので、バイブレーターとは違うが、欧米ではよく使用される淫具である。……ありていに言えば、“張り型”のことだ。
 それともうひとつ。今度は長いチューブのようなものを取り出す。片方の先端に、ノズルのようなプラスチック製のキャップがあり、その中心はバルーンのように膨らんでいる。
 エネマシリンジ……言わずと知れた“浣腸器”のことである。
「………」
 ほんの少しの逡巡の後、エレナは身に纏っていたものを全て脱ぎ、バスルームに向かった。一度、シャワーで全身を清めてから、お湯を流したままの状態でツメに引っ掛けて、ざあざあとタイルに落ちてくるお湯を、用意した洗面器に貯めこんだ。
 エネマシリンジの、チューブが剥き出しになっている方を湯の中に沈め、もう一方の先端を自分の窄まった部分に押し当てる。
「あ、ン………」
 ずるずると中に押し込んでいく。異物が直腸を逆流してくる感覚に、背筋が泡立った。
 ある程度、自分の中にノズルをおさめてから、中央のバルーンを握りつぶした。
「あ、あぅ……ぅ……」
 空気を排出していなかったので、しゅうしゅうと風が腸を走る。しかし、しばらくのうちにお湯がチューブを満たし、そのままエレナの中に移動してきた。
「ンッ……あ、あッ………」



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